2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「渥美清と「男はつらいよ」 - 井上ひさし」ちくま文庫井上ひさしベスト・エッセイ続ひと・ヒト・人 から

「渥美清と「男はつらいよ」 - 井上ひさし」ちくま文庫井上ひさしベスト・エッセイ続ひと・ヒト・人 から『男はつらいよ』の車寅次郎の話になりますが、渥美清は天才的な演技者だから何でもござれで、どんな役でも出来るんだと、長い間、錯覚していました。で…

(巻三十六)歎きいて虹濃き刻を逸したり(橋本多佳子)

(巻三十六)歎きいて虹濃き刻を逸したり(橋本多佳子) 3月30日木曜日 曇り。朝家事は洗濯とスーツ干し。靴箱を開けたら通勤に履いていた黒の革靴に黴が出ていた。慌てて靴箱を整理し、洋服箪笥も危ないとスーツも点検したが、こちらは大丈夫。もう通勤はな…

(巻三十六)古書店の奥に主の懐手(植田桂子)

(巻三十六)古書店の奥に主の懐手(植田桂子) 3月29日水曜日 昨晩もFM葛飾の鉄ちゃん番組「きしゃぽっぽ」を聞きながら就寝いたした。ダイヤ改正特集と云うことで相互乗り入れを始めた相鉄線のダイヤがテーマだった。ただ、どうも発車時刻の読み上げばかりで…

「カナシイ夜は「賢治全集」 - 井上ひさし」ちくま文庫井上ひさしベスト・エッセイ続ひと・ヒト・人 から

「カナシイ夜は「賢治全集」 - 井上ひさし」ちくま文庫井上ひさしベスト・エッセイ続ひと・ヒト・人 から十年ばかり前、オーストラリア国立大学の日本語科に招かれて教師のまねごとをしていたことがあるが、そのとき学生諸君のなかに宮沢賢治の愛読者が大勢い…

(巻三十六)着ぶくれて禿げたるほかに賞罰なし(亀田虎童子)

(巻三十六)着ぶくれて禿げたるほかに賞罰なし(亀田虎童子) 3月28日火曜日 ヤスさんの命日だ。小雨。全国晴れでこの辺りだけ雨らしい。朝家事は拭き掃除と洗濯。家用のズボンも洗って風呂場に干した。 昼飯喰って、一息入れて、座椅子にごろ寝いたした。3…

「談志最晩年の日々(あとがきにかえて) - 松岡慎太郎」努力とは馬鹿に恵[あた]えた夢である-立川談志 から

「談志最晩年の日々(あとがきにかえて) - 松岡慎太郎」努力とは馬鹿に恵[あた]えた夢である-立川談志 からエッセイ集のあとがきですから、本来は家族が見た立川談志の執筆風景などを話すべきかもしれません。例えばペラ(二〇〇字)の原稿用紙を使っていた…

(巻三十六)年の瀬や車列を止めて救急車(草刈邦雄)

(巻三十六)年の瀬や車列を止めて救急車(草刈邦雄) 3月27日月曜日 曇り。朝家事はなし。白鳥生協までお供した。今日は後ろに付いてきなさい、とのこと。小学校入学児童の登校練習のようなものだ。帰宅して私の描いた地図に目印になる建物、“延命寺”、“興雄…

「新人の特質 - 養老孟司」ちくま学芸文庫養老孟司の人間科学講義 から

「新人の特質 - 養老孟司」ちくま学芸文庫養老孟司の人間科学講義 から現代人あるいは人類学でいう新人は、二十万年前頃に生じ、五万年前以降には世界中に広がったと見られる。ヒトの身体的進化については後の章で述べる。ともあれ現代人を特徴づけるのが脳…

(巻三十六)桜桃の茎をしをりに文庫本(丸谷才一)

(巻三十六)桜桃の茎をしをりに文庫本(丸谷才一) 3月26日日曜日 小雨。朝家事は洗濯。ウォシュレットのフィルターを掃除した細君が試運転をしろという。尻を捲って、座って、試射を受け止めなさい、と云うことだが“おしり”と“ビデ”の両方の試射を受け止め…

「自らを知れ - 養老孟司」ちくま学芸文庫養老孟司の人間科学講義 から

「自らを知れ - 養老孟司」ちくま学芸文庫養老孟司の人間科学講義 から科学は宇宙の起源や星の進化を論じ、物質の基礎をなす単位について語る。ヒトの遺伝子はすでに塩基配列がすべて解読された。われわれはそういう時代に生きている。それならわれわれが知…

(巻三十六)雪溶けてさしたる松と思はれず(岩田一男)

(巻三十六)雪溶けてさしたる松と思はれず(岩田一男) 3月25日土曜日 予報通りの雨。甲子園は晴れているようだ。でも明日も此方は雨らしい。 朝家事は掃除機がけ。 顔本にいかがわしいお友達打診が続いたので数少ない公開投稿を削除した。その後二、三日お…

(巻三十六)ビル風と云へど五月の風にして(横川満)

(巻三十六)ビル風と云へど五月の風にして(横川満) 3月24日金曜日 曇り、北側の部屋にもウグイスの鳴き声が届く。 細君が白鳥生協の2階にある歯科の下見をしたいので地図を描いて、ついでにそこまで連れて行けと仰る。最近では開き直って方向音痴を一つの…

「歴史のワクチン - 嵐山光三郎」ちくま文庫「世間」心得帖 から

「歴史のワクチン - 嵐山光三郎」ちくま文庫「世間」心得帖 から私のような老骨ははやばやと二回のワクチン接種を終えたが、新型コロナ攻撃隊は、第三波左ジャブ、第四波右フック、デルタ株の第五波アッパーカットがゴツーンと来た。そこでノックダウン。怖い…

(巻三十六)ポケットのやりくりつかぬ更衣(堀江重臣)

(巻三十六)ポケットのやりくりつかぬ更衣(堀江重臣) 3月23日木曜日 10時ころゴミ出しに行ったが、雨が降りだしていた。午前中は家事もなく部屋に籠る。 昼飯喰って、一息入れて、外は雨。座椅子を広げてヘッドフォン着けて軽く横になる。これ極楽なり。…

(巻三十六)この水も年金のうちそろと撒く(木島茶筅子)

(巻三十六)この水も年金のうちそろと撒く(木島茶筅子) 3月22日水曜日 今朝は晴れ。朝家事は無しだが、細君のお供で駅前の家電店へ参る。細君が寝床で聞くCD-ラジカセが不調で買い換えるとのこと。で、CD-ラジオとラジカセを1台ずつ買っていた。動かすの…

「四苦の排除 - 養老孟司」ちくま学芸文庫養老孟司の人間科学講義 から

「四苦の排除 - 養老孟司」ちくま学芸文庫養老孟司の人間科学講義 から都市における「身体という自然」の排除は、身体が示す自然の人生そのもの、すなわち生老病死を排除するに至る。人生は四苦八苦というときの四苦が生老病死であり、それに必然的に伴う感情…

(巻三十六)凡凡と生きて花ある春のくれ(伊藤和夫)

(巻三十六)凡凡と生きて花ある春のくれ(伊藤和夫) 3月21日火曜日 寝酒をしないと渇きで夜中に目覚めず熟睡できる。寝酒は暫し自粛してみよう。 曇り。天気下り坂の予兆か。朝家事は拭き掃除だけ。 昨日通帳の記帳に行った細君から二点確認を受ける。給与…

(巻三十六)糟糠の妻なれどまた冷奴(石井千里)

(巻三十六)糟糠の妻なれどまた冷奴(石井千里) 3月20日月曜日 晴れ。今週は菜種梅雨で明日からは雨模様とか。細君は今日しかないと通帳の記帳に出かけて行った。昼はカップ麺(チキンラーメン)とパック赤飯。 昼飯喰って、一息入れて、散歩。桜通りで桜を見…

「伝説の雑誌『洋酒天国』(プロローグ) - 小玉武」『洋酒天国』とその時代 から

「伝説の雑誌『洋酒天国』(プロローグ) - 小玉武」『洋酒天国』とその時代 からいまから五十年前、昭和三十一年四月のことである。『洋酒天国』といういささか奇妙なタイトルのPR誌が産声をあげた。たまたまこの年の一月、石原慎太郎が『太陽の季節』で芥川…

(巻三十六)不器量の身とな思ひそ残り柚子(吉倉紳一)

(巻三十六)不器量の身とな思ひそ残り柚子(吉倉紳一) 3月19日日曜日 晴れ、花粉が多いそうだ。 俳壇が届く。 老いし身へ如何[いか]が如何がと春迫る(北原喜美恵) 原罪に余罪を重ね猫の恋(藤嶋務) を書き留めた。 “春迫る”が心情を見事に表してしていると…

(巻三十六)捨て印のごとくに淡き昼の月(小暮駿一郎)

(巻三十六)捨て印のごとくに淡き昼の月(小暮駿一郎) 3月18日土曜日 予報通りの雨だ。10時半の甲子園は雨があがっていた。朝家事は掃除機がけと洗濯・部屋干し。 BBCは128kbpsだけにしてしまったのかな?The Crowd Scienceも128だけだ。 昭和歌謡50曲…

(巻三十六)晩秋の損得もなき立呑屋(星野高士)

(巻三十六)晩秋の損得もなき立呑屋(星野高士) 3月17日金曜日 今日は雨になるぞと予告するような朝の空模様だ。朝家事は特に無し。 今週もBBCの番組をチェックしているが、ダウンロードの仕様が128kbps-higher qualityと64kbps-lower qualityの二つあり選…

「盆栽を始めるとき - 村上龍」無趣味のすすめ から

「盆栽を始めるとき - 村上龍」無趣味のすすめ から実は、趣味があればよかったかなと思ったことが何度かある。わたしが作家になった理由は、第一に作家以外には何にもなることができなかったというもので、第二は、早起きが苦手だからというものである。ま…

(巻三十六)醜聞の似たり寄つたり神の留守(仁平勝)

(巻三十六)醜聞の似たり寄つたり神の留守(仁平勝) 3月16日木曜日 鳥たちの囀りがやたらと賑やかだと言いながら細君が窓を開けにきた。 囀やどんな鳥かとみな仰ぎ(深見けんじ) 朝家事は拭き掃除と洗濯で部屋干し。 生協に買い物に出かけて朝食用品と細君外…

「語学の必要性 - 村上龍」無趣味のすすめ から

「語学の必要性 - 村上龍」無趣味のすすめ から七〇年代に二度のオイルショックがあった。その際、外語大のアラビア語科の競争率が上がった。石油危機が続けばアラビア語が有利だと思う若者が大勢いたのだ。だがその後石油の供給と価格は安定し、アラビア語…

(巻三十六)春宵の一句すなわちひとりごと(花谷和子)

(巻三十六)春宵の一句すなわちひとりごと(花谷和子) 3月15日水曜日 穏やかな朝。細君は先週の検診採血の結果を訊きにクリニックへ出かけた。 独りAVなどつけてみたがすぐに飽きて英聴を始めた。 11時に早昼飯に取り掛かり今日はカレーうどん(餅入り)…

(巻三十六)死ぬまでは転ぶことなく寒雀(三橋敏雄)

(巻三十六)死ぬまでは転ぶことなく寒雀(三橋敏雄) 3月14日火曜日 真冬なら暖かいと思う気温だが、ここ数日暖かい日が続いたあとなので10度を超えていても寒く感じる。 朝家事は洗濯、部屋干し。 昼前に生協まで買い物に行き、往復でトイちゃんにスナッ…

「立石再訪、危うし「呑んべ横丁」 - 坂崎重盛」東京煮込み横丁評判記 から

「立石再訪、危うし「呑んべ横丁」 - 坂崎重盛」東京煮込み横丁評判記 から“濃い”町の“濃い”居酒屋へそれにはちょっとした掟がある天気予報は、午後から晴れると言っていたのに、なんかスッキリしない空模様である。今日は夕方前から南千住へ行こう、と腹で決…

(巻三十六)屈伸の掌床に夏来る(井上亮子)

(巻三十六)屈伸の掌床に夏来る(井上亮子) 3月13日月曜日 曇り、朝のうちはくもり。朝家事は掃除機がけ。台所のマットを外の廊下で庇からマットを出して叩く。叩けば埃が下の誰もいない駐輪場に降りて行く。 昼前ころから雨音のしっかりとした雨が降りだす…

(巻三十六)長閑さやおだてに乗りし一万歩(堀江重臣)

(巻三十六)長閑さやおだてに乗りし一万歩(堀江重臣) 3月12日日曜日 塩気のあるチーカマで寝酒したのでのどが渇いて夜中に目覚めた。 曇り。朝家事は洗濯。細君は生協へ。床の拭き掃除、掃除機がけを二、三日していないのでホコリが見える。明日は掃除する…