(巻十三)四つ折の千円ひらく夜店かな(鶴岡加苗)

12月31日土曜日

一年の最後に渡辺和子さんの訃報に接した。残念とか悲しいと言うほど身近な方ではないが、NHK第二放送の“宗教の時間”でお話をうかがったことがあった。そのとき、お話の内容より、そのお声の優しさに驚いた!こんなにも優しい声で、こんなにも優しい話し方をされる方がいることを知った。
渡辺和子さんの著作が、書店の常設書籍棚にあるが、手に取ったことはない。しかし、渡辺和子さんのお声の入ったCDは手に入れておきたい。何しろ、渡辺和子さんの優しい声をバックグラウンドミュージックに聞きながら“息を引き取る”のが我輩の「臨終」のシナリオなのである。

臨終の一と声「ああ」枯世界(池禎章)

シナリオの脱線つづく老いの春(丹後日出男)