(巻十八)拾われて海遠くなる桜貝(松田美子)

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5月8日水曜日

雨のなかを駅まで歩いた。バスはほぼ時刻表通り来るので時間を合わせて家を出ればそれほど待つこともなくバスに乗れるが、バスに乗ると朝の一本を途中にあるコンビニの灰皿で吸えなくなるのである。
区の広報紙によればそのコンビニのある一画も全面禁煙区域になるようだ。ありがたいコンビニの灰皿ももうすぐ消える定めにある。

帰途、一力に立ち寄った。5時だから呑んでいるのはご同輩で昭和二十九年あたりが最年少のようで小僧っ子扱いである。七十五歳が免許証を返納したと云い、麻生は“アホウ”だとすこぶる評判が悪い。話題は多岐に渡り活発である。
年輩女子はほって置いてもおしゃべりをはじめると言われている。その点男子はなかなかお互い馴染まない。ここは酒の力を借りるのも一つの手であろう。
なぜか“知らぬ同士が小皿叩いてチャンチキおけさ”などという古い歌を思い出しながら店を出た。
そう云えば同期会の連絡があり、飲むことになった。

帰宅し、食卓につくと細君のニュース感想が始まった。拓銀の元頭取でバブルが弾けたころ粉飾で実刑を受けた人の談話記事を読んで痛く同情している。やや美談的に記事を仕立てているのだろうが、そのころ新聞はその人をどのように扱ったのだろう。

自分史に粉飾少し蔦紅葉(高橋和彌)

特に面白い風景・物事に遇わず掲載するような写真はないが、ある予備校の車内広告(写真)の意図がどうもよく分からない。

不可解な夢にこだわり葱刻む(奈良岡晶子)