(巻十二)たっぷりと美人ぬすみ視んサングラス(田伐平三郎)

8月31日水曜日

通勤の車中気が向けば、そして文庫本が開けるようであれば、荷風の“日和下駄”を読んでおります。
今朝、その一節に頷いきました。

“名所古蹟は何処(いずく)に限らず行って見れば大抵こんなものかと思うようなつまらぬものである。唯その処まで尋ね到る間の道筋や周囲の光景及びそれに附随する感情等によって他日話の種となすに足るべき興味に繋がれるのである。”

時折、訪れた処の描写を試みますが、大先生の心得を忘れぬよう努めて参りたいと存じます。

さて今宵は恩師を囲んでの飲み会となりました。

師より、最近はどうかとお尋ねがあり、

“細胞や小春日和のビラ配り”(潤)

を申し上げました。

「情景の切り取りとしてはよいが、、、」

との講評でございました。

資本論」抜けば雪降る書架の裏(今井聖)