(巻十三)舵取るはどの神ならむ宝船(入谷一舟)

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12月2日金曜日

明日は披露宴であるが、新郎からアトラクションでインタビューが入るので宜候とのお話をいただいた。

宜候(ようそろ)とボート進めん遅桜(斎藤幽谷)

一番手とのことなので宴を崩してはよろしくないと回答服案を新郎に出して了解をいただいた。この程度のことを即興でこなせないのかと言われれば、こなせない。準備期間があるのに準備せず、無い才能を当てにしてしくじってどうするの。

才無くて鶴女房と夜なべかな(星野石雀)

さて、一昨日の水曜日であるが俳句界に目を通し、トイレを拝借し館外に出た。紅葉の盛りであり、お堀の出口まで散策を楽しむことにした。心字池まで来ると多くの老人が超高級望遠カメラを池に向けて構えていた。

描く撮る詠むそれぞれに秋惜しみ(鷹羽狩行)

カワセミのハンティングの瞬間を狙っているのだ。撮影した画像の編集を後ろから覗いたが、カワセミは青い美しい鳥である。獲物をくわえて水中から飛び立つ瞬間を見事に捉えた写真もあった。釣りと同じで時間を気にせず、ゆっくりと構えていなくは撮れまい。時間のある人の趣味である。

かわせみに杭置去りにされにけり(八木林之助)

有楽門を出て、プロントによって珈琲にシフォンケーキでお茶をいたした。朝番の店員さんも何人は残っていて“ゆっくりしてってください。”などと声を掛けていただいた。
お茶どきの店内はモーニングの時間帯とちがいおばちゃんグループが何組かいた。丸の内の外れにも出没するのだなあ。

天敵を もたぬ妻たち 昼下がり 茶房に語る 舌かわくまで (栗木 京子)