(巻十三)絶対の安堵に死とふ涼しけれ(密門令子)

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12月1日木曜日

朝プロントに寄るとレジのカシワちゃんが右手に包帯をして不自由そうにしている。もんじゃを焼いていて火傷をしたとのことだが、我輩の乏しい想像力ではその情景が浮かばない!

学成らずもんじゃ焼いてる梅雨の路地(小沢信男)

インプラントの歯でいつものCセットをいただいた。不自由は解消されたが入れ歯にすると味わい力が落ちるというのはどうも本当のようだ。

白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしずかに飲むべかりけり(若山牧水)

さて、昨日つまり水曜日の午後であるが、フットサルを観戦してから日比谷図書館に向かった。日比谷公会堂の横に立つ銀杏は見事な金色となっていて道には大きな銀杏の葉が散り落ちていた。きれいな二枚をつまみ上げて新聞切り抜き入れにしているクリアファイルに納めた。(写真)

拾われて海遠くなる桜貝(松田美子)

入館すると一階の特別展示場の催し案内が出ていて12月5日月曜日から“大名屋敷発掘展”を開催すると告げていた。入場無料とのことなので日和に来よう。江戸詰めの侍の生活なども紹介されるとのことだ。

江戸留守の枕刀やおぼろ月(朱拙)

一階を一回りして二階の閲覧室に上がった。読みたい書籍があって来るわけではないが、雑誌コーナーの“俳句界”を捲るのが常である。ちょうど一時になり日比谷公園を望むテラス席に空席ができた。ガラス越しに立派な銀杏が二木“そびえて”いた。(写真)

物言はぬ夫婦なりけり田草取(二葉亭四謎)

“俳句界”から

秋ともし一病が吾の羅針盤(大木あまり)
梅咲くや何が降ても春ははる(千代女)
あぢさいのもう欺けぬ終のいろ(谷本元子)
無気力に見せてはいるが冬木の芽(清水じゅう)

を書き留めた。