(巻十四)愚かなるテレビの光梅雨の家(高柳克弘)

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4月26日水曜日

亀井戸の藤も終りと雨の日をからかささしてひとり見に来し(伊藤左千夫)

午後から亀戸天神の藤を見に出掛けた。秋葉原駅総武線に乗り換えて浅草橋を過ぎて隅田川を渡り両国、錦糸町の次の亀戸に着いた。この駅に降りるのも随分久しぶりのことである。
昔も今もこの駅は砂町、大島、小松川方面へのバス系統の基点であり賑わっている。昭和三十年代までは明治通り池袋駅行きのトロリーバスが走っていた。(トロリーと入れたところでトロリーバスと変換されたのにはちょっと驚いた。)

亀戸天神までは明治通りを蔵前橋通りの方向にアーケード商店街を進み蔵前橋通りを渡り左に折れて進むのであるが10分以上歩く。
行く道の歩道の上には“藤まつり”の旗が飾られていて、ところどころに餅菓子屋、煎り豆屋、昔風の用品店、雑貨屋そして芋羊羮屋などがあり昭和を感じる。
亀戸天神の境内は根津神社に比べると狭いが人出は根津よりはるかに多く熟年以上が専らだが、中国からの観光客やマレーシアあたりからと思われるムスリムの女性がずいぶんいた。藤の見頃はこれからといったところであるが水彩画グラブと思われるご婦人方がなかなかの作品を創作されていた。

俳人は歩き画人は座る春(内山思考)

藤棚や写生見せ合う婆二人(潤)

亀戸と云えば“餃子”なので、昼飯を食べずにオフィスを出た。天神を出てすぐ前の横断歩道を渡り蔵前橋通りの向こう側に上がったところに家庭韓国料理店があったので餃子屋まで我慢できず入ってしまった。
時刻は二時を過ぎていて客は他におらず、“オモニ”が奥のテーブルでざるに葉物を選り分けていた。
キムチチゲ定食とビールを丁寧にお願いし、付だしのキムチなど五皿でビールを舐めながら、KBSの韓流ドラマの流れている奥のテレビを眺めていると定食が出てきた。
ドラマは字幕付なのでストーリーは追えたが、兎に角話の展開が早い!
チゲはスープが多すぎと云うか具が少いと云うか、その程度のものであり、締めて1280円であった。このあたりは昔から朝鮮の方の多い土地柄で関東大震災の時には同胞の恥ずべき行為があったと聞いている。

亀戸駅に戻り東武亀戸線に乗り曳舟に出て、そこで乗り換えて北千住に至り、帰宅した。

次は菖蒲か紫陽花を見に参るど。