(巻十五)英字紙の袋の掛かるぶだう棚(中御門あや)

6月3日土曜日

特に無しの一日である。旧宅に行って廃棄物の整理やカーテン外しなどした。駅の数にして7つであるがすでに田舎で遠い所と感じる。
新居に戻り、洗濯屋にズボンを出しに行くがあてがあるわけではない。バス通りを駅に向かって歩いていくと、ちょっと引っ込んだところに取次店ではない、自前の個人経営のクリーニング屋さんがあった。
入って見るとアイロン台やプレスがあり、ご同年かやや年長の店主が仕事場から現れた。飲み屋にしろ、クリーニング屋にしろ、蕎麦屋にしろ、組み込まれていない店がこの街ではまだ生き残っている。