(巻十七)初髪の尻階段をのぼりゆく(柳屋小三治)

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12月12日火曜日

手袋、マフラー、コートと装備を出動させた。残るのはコートのライナーだけだ。

仕事しに行くかマフラー二重巻(津高里永子)

それでもあばら家から中層集合住宅に引っ越したので夜も朝も随分と楽になった。

木枯しの道なりに来る安普請(潤)

殊に浴室と脱衣室の密閉度が格段に違うのであわてて風呂に飛び込まなくも済むし、パジャマも余裕を持って着ている。
それに、あばら家では風呂に入ったあとはすぐに湯冷めをするので布団に潜り込むしかなかったが、今は多少机に向かえる。

風呂に入り肩まで冬を沈めけり(岡崎正宏)

今日は定時に外へ出たので、加賀廣に寄ってみた。五時の開店直後に入ればまだ混んでいないが、6時を過ぎると混んでくる。空いているうちにさっさと呑んで去るのが流儀である。
カウンターに座る連中はスマホを友に黙々と飲んでいる。まあ、文庫本、週刊誌、スポーツ新聞がスマホに換わっただけだから孤立化だの、社会性が減少したなどということでもあるまい。

煮込みが定番であるが、今日は粗挽きウインナを頼んだ。若い衆の仕度が整っていなかったようで焼き物を仕切っているマスターから強烈な指導が出ていた。だが、その若い衆はマスターがいないときは焼き物を任されているので愛の鞭なのだろう。

焼酎や煙の中にモツを焼く(檜林弘一)