(巻十八)甚平や概算という暮し方(小宅容義)

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4月25日水曜日

天気の回復具合を見極めて“午後の有給休暇”を申請させていただいた。姐さんからはお許しに加えて「雨模様ですからお気をつけて。」との添え書きをいただき、恐縮して痛み入った次第でございます。

クレームの詫びの風邪声気遣はる(川村紫陽)

そんなわけで、俳句界4月号を読みに日比谷図書館に参りました。
新橋駅から図書館までと云うか、内幸町の交差点までは道が格子状になっています。

子規かほの出されぬ格子かな(野坡)

いつも信号機の青に従い、ときには信号のたびに90度の方向転換して、行けるところまで行くことにしています。

かりがねや信じて渡る青信号(大黒康照)

今日はJRの高架沿いを東電まで真っ直ぐに行きなさいとの御告げでした。この辺りの高架下は“いにしえ”の煉瓦造りが残っていて、残って欲しいと願いを込めて一撮いたしました。

春の雪銀座の裏の三階の煉瓦造にやはらかく降る(石川啄木)

東電まで着いてしまえばあとは選択の余地なしで“まっつぐ”に今日はデモも機動隊もいない東電前を通り、みずほ銀行の前を通り、内幸町交番の前を通り、市政会館(日比谷公会堂)の前を通り図書館まで参りました。

会ひにゆく一筋道の青田中(高木きみ子)

図書館に入る前に公園の花壇前から遥かに見える噴水、雨上がりのみどり鮮やかな木々を一撮いたしました。
冬場にきたときに

噴水や枯れ野の末に勃起せり

と詠みましたが

噴水や二十五度超え存在感

という去年の今頃の噴水でございました。

書き留めた句は、

卯の花や雨によく来る東慶寺(星野立子)

撃たれたる熊の最後に見し景色(白濱一羊)

乾パンの賞味期限や夏至の雨(池田恵美子)

小鳥来る空気良ければ駅遠し(前田千恵子)

足跡に足乗せてゆく深雪晴(矢作十志夫)