(巻十八)上野から見下す町のあつさ哉(正岡子規)

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5月5日土曜日

ゴールデン・ウイークのこどもの日の土曜日であるが、“やる”とおっしゃるので新柏の歯医者さんにインプラントの歯形を採りに出掛けた。快晴・薫風の外出日和である。
端午の節句だが鯉のぼりが亀有にも新柏にも見当たらない。

贋作を掛けて端午の祝いかな(増田河郎子)

新柏駅の階段を降りていくとまだ“迷子猫捜し”のポスターがあったが(4月8日掲載)、よく見ると“発見御礼”に替わっていた。めでたし!
一度世間の冷たい風に当たれば、用心深くなるだろう。

己が傷を舐めて終りぬ猫の恋(清水基吉)

無事歯形(歯はないので歯茎型かな)を採り終わり、26日に支柱に被せる段取りとなった。この日に治療費十八万円を申し受けますとのことである。

歯科に口あけたるままの窓に花(久田草木)

歯科のあとはいつも通り柏駅西口の庄屋に入り海鮮丼で一杯いたした。少し離れた処で老人が二人で一杯始めて、とりとめのない話をしている。
今日は柏レイソルの試合があるので夕方から騒がしくなりそうだと話している。勝っても負けても柏の街で飲んで騒ぐそうだ。フーリガンとまでは行かないのであろうが、観戦後の行動パターンは野球とは違うようだ。
そこに第三の老人が到着した。遅れた言い訳がおもしろい。今日は年寄りの人出が多くて、年寄りの電車の乗り降りがノロノロしているので電車の発車が遅れてダイヤが乱れて、それで遅れたと弁解している。

年寄りを嫌ふ年寄り敬老日(河内きよし)

しばらくすると別のおばさん三人組が入ってきた。注文の仕方におばさんグループの掟の厳しさを垣間見た。三人はそれぞれ品書きを見たが、ボスが唐揚げにしましょ!と決めた。あとの二人は迷っていたが、ボスが“みんな一緒の方が早いからそうしましょ!”と強行裁決して終わりである。
細君があまりババア付き合いを好まないのも判るような気が致しました。

愛鳥週間おんな同士のよく喋り(成瀬桜桃子)

庄屋を出て高島屋の前を通ると特設ステージでストリート・ミュージシャンの歌合戦が行われていた。並大抵ではこのステージにもたどり着けないのだろう。

デパートの産地訛りの粽売り(炭谷種子)

せっかくビックカメラのある柏に来たので立ち寄った。絶滅寸前の古い古いイヤホーンで好きな型式が二点残っていたので買い占めた。これで4本貯まった。半年に一本くらいダメになるが、これであと2年は行ける?

炎天下イヤホーンに聞く甲子園(住田征夫)

亀有に戻り、バスを降りて見回したら鯉のぼりがいた!

薫風や鯉と流るる町歩き(今瀬剛一)