(巻十九)力無きあくび連発日の盛り(高浜虚子)

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8月11日土曜日

今日は残る最後の奥歯を抜くために新柏の歯科に参りました。32度まで下がったとはいえまだまだ暑く、ペット茶で水分を補給しつつ電車を乗り継ぎました。

首筋にペット茶あてて冷やしけり(潤)

“根が割れていて化膿するとインプラントをだめにするから抜いた方がいいですよ”というお見立てに同意しました。奥歯はさしたる抵抗もできず、ポロリとハズレて一年近くを要したインプラント工事も完成となりました。
抜歯後の注意書きを頂きましたが、なかなか味のある女の子文字でお見せしたくなりました。ここの衛生士さんたちはなかなかの美形揃いで接遇も快く体の動くうちはこちらでお世話になりたいと思っております。

板きれにきんぎょのはかと幼文字(黒澤正行)

次いで、親バカの見本ような細君から息子の旅先のガイドブック『ことりっぷ北欧』を買ってくるように申し付けられたので柏のジュンク堂に向かいました。ジュンク堂までの途中階で古本市が開かれていまして、そこで30分ほど物色いたしました。

知の森に迷ひて涼し古書の市(山崎茂晴)

購入した文庫本は以下の通りで、締めて1670円也でした。
時間潰しにビデオボックスにでも入ろうかと思っていたのですが、ビデオボックスの三時間分でこんなに文庫本が買えました。

「金銭読本-邱永漢(中公文庫)100円」
「青春の一冊ー文藝春秋編(文春文庫)200円」
「素朴と文明-川喜田二郎(講談社文庫)300円」
「家出のすすめー寺山修司(角川文庫)100円」
「お茶を飲みながらー遠藤周作(集英社文庫)100円」

赤かぶ検事の法廷毒本ー和久峻三(ちくま文庫)100円」
「暮しの思想-加藤秀俊(中公文庫)100円」
「私は世界で嫌われる-ビートたけし(新潮文庫)100円」
「男の美学-立原正秋(角川文庫)250円」
「礼儀作法入門-山口瞳(新潮文庫)200円」

川喜田二郎氏の300円はごもっともでしょう。


日々のコチコチ読書では、

「洋書店文化の黄昏 - 奥本大三郎文藝春秋刊 03年版ベスト・エッセイ集から

を読み終わりました。銀座にあった洋書店“イエナ”の閉店を惜しみながら、その当時ころから始まった英語教育の軽薄化について思うところを述べていらっしゃいます。私も喋ることよりは耳の訓練だと思いますし、中学高校で英語習得なら聞くと読むが柱だと思います。
私もイエナ書店には色々な想い出があります。本も買いましたが、セックス体験記ばかりを載せた雑誌やペーパーバックをよく買っていました。二十代前半で英語を勉強し始めの頃でした。投稿ですので一篇がペーパーバックであれば長くても二頁でしたから長さ的にも読みやすい分量でした。
左手で本を持ち、右手でシコシコやりながら読むのですからなかなか辞書が引けませんが、辞書なしでも想像で読みこなし、大抵の場合それが正しい意味であったようです。
そういう読み方ですから、英語を一度日本語に訳して勃起させていたわけではなく、英語が直接脳のある部分を刺激しその刺激が勃起と最終的には射精をもたらしていました。
この無転換読書を随分いたしましたが、よい読書習慣が身に付いたと思っております。
近藤書店の上の2階にあったイエナ書店はデートの待ち合わせ場所としては絶好で、スーザン、とも子さん、まり子さん、よう子さん、細君などとの待ち合わせを致しました。


昨日は姐さん、親分、番頭さんと私の四人でお役所に“ゲロ”しに参りました。ご担当の的を外した寛大なご処断に一同思わずビックリするやら戸惑うやらでございましたが、いずれにしろ“お構え無し”なので悦んでよいのでしょう?
こういう場合の面談記録は後日のことを考えると大変重要になります。
このメモ録りと記録文書作成を番頭さんが見事に務めてくださいました。
番頭さんは切れ者でご自身も文章作成能力に自信をお持ちのようですし、文章を書くことはお好きだとのことです。