(巻十九)白酒や妻とほろ酔ひ税滞めて(岸田稚魚)

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9月10日月曜日

机の整理を始めました。整理と云っても専ら反古紙の裁断でありましす。名刺も大分ございますが、今後お付き合い頂く方はあまりおりませんので、これも分別して廃棄ですねえ!

梅雨深し名刺の浮かぶ神田川(坂本宮尾)

帰りに丸善に寄りThe Economistを調達した。今日も雨の月曜日でございました。
立読みの限りではあまり面白そうな記事はなく、読めば気分が暗くなりそうです。明るい話題より心配を与える記事の方が売れると云うのは古今東西メディアの原則なのでしょう。

今日のコチコチ読書は、

The legacy De Gaulle left in London ? by Ann Mah Sept. 3 2018 ロンドンに遺るド・ゴールの遺跡

でしたが、フランスからロンドンに亡命したド・ゴールが何処で執務し、何処で飯を食って、何処のワイン商に出入りし、後から逃げてきた家族と何処に住んだと言う、ある意味名所案内記事でした。こう言う毒にも薬にもならない記事にはなかなか出逢えません。

「武蔵野 - 国木田独歩」文春文庫 教科書でおぼえた名文 から

の方も、毒のない、心の平静を乱すことのない随筆のようです。少なくとも以下の出だしの部分まではそうです。

武蔵野を散歩する人は、道に迷うことを苦にしてはならない。どの路(みち)でも足の向く方へゆけば必ず其処(そこ)そこに見るべく、聞くべく、感ずべき獲物がある。武蔵野の美はただ其縦横に通ずる数千条の路を当(あて)もなく歩くことに由(よつ)て始めて獲られる。春、夏、秋、冬、朝、昼、夕、夜、月にも、雪にも、風にも、霧にも、霜にも、雨にも、時雨(しぐれ)にも、ただ此路をぶらぶら歩て思いつき次第に右し左すれば随処に吾等(われら)を満足さするものがある。これが実に又た、武蔵野第一の特色だろうと自分はしみじみ感じている。

そう言うわけで、心の平穏が何よりと思うつまらない年寄りになって行く今日この頃でございます。

熱中も夢中のときも過ぎて秋(鷹羽狩行)