(巻二十)着るものにもう迷ひなし冬に入る(小田島美紀子)

イメージ 1

10月19日金曜日

一通りの家事活動を終えて向い合わせで昼餉をとっていると、細君が新聞の出版広告を突きつけて“これ、買って。”と言う。
何の本かと思えば、『ちいさな恋の物語(チッチとさりー) - 三橋ちか子』の第44集だ。“クリスマス・プレゼントの前渡しでいいから、買って。”と七十ちかいババアが言うのである。
そんな昼餉のあと散歩に出た。
先ず、図書館でNYTを点検した。昨日の紙面に芥川龍之介にかかる、

Patient X:
The Case-Book of Ryunosuke Akutagawa

の書評が載っていたので、これをコピーした。

秋風や人なき道の草の丈(芥川龍之介)

図書館を出て、このままだと“ときわ”に行って呑んでしまうと思い、意を決してアリオの中の本屋に行って細君所望の一冊を仕入れることにした。
細君によれば、“大人気の本だから高く積んであるわよ!”とのことだったが、なかなか見つからず店員さんにお尋ねした。
店員さんはデータ検索してコミックの片隅に差し込まれていた本を取り出してくれました。
このコミックの読者は六十五過ぎのおばあさんたちなんだろう。

ポケットのなかでつなぐて酉の市(白石冬美)

帰宅して郵便受けを開けると区役所からの国民健康保険の納付通知が入っていた。
既に加入済みで保険料納付済みの息子の事も一欄設けてあるので、確認のため区役所に電話した。
ご担当は丁寧で接遇は満点である。
説明によれば、先ず国民健康保険には被扶養者という考え方はないのでそれぞれの加入者が所得により保険料を納める。
ただし、保険料の請求は世帯一本にまとめて世帯主あてに納付通知を出し、納付書も世帯加入者の合計保険料を記載するとのことである。
一世帯の各加入者の保険料は別紙の第三欄に個別記載されているとのことだ。
システムは理解できた。確かに徴収コストは減るが、その心は徴収を確実にするための連帯責任方式だな!


傘形の連判状や盆踊(脇坂規良)

今日のコチコチ読書、

和文

「牛丼屋にて - 団鬼六ちくま文庫 お~い、丼 から

『 親子連れはまだ四十代らしいジャンパー服姿の父親に八歳と六歳位の女の子、それに五歳位の男の子という四人づれで、もう十一時を廻ったこんな深夜に牛丼屋で子供に飯を喰わすというのも奇怪な感じだ。恐らくこの親父、女房に逃げられたのではないか。幼い子供は自分が引きとり面倒を見ているものの、親父の勤務時間の都合でどうしても子供達に夕飯を喰わしてやる事が出来ず、子供の腹の減り具合を調整させて、こんな深夜に親子四人で牛丼屋ののれんをくぐる - と勝手な想像が生じてくる。姉二人は弟のために店に頼んで小さな器を出してもらうとそれに自分達の丼の飯や肉を分けて盛り上げてやっている。
長女らしい八歳位の女の子は何となく林葉直子に似た美人型で、それにそんな年頃でありながら身体つきに不思議な色気が滲み出ているのだ。父親が煙草をジャンパーから取出すのを見たこの美貌の長女は店の奥に向かって、「すみません、灰皿をお願いします」と声をかけ、父親の世話をちゃんと見ている所なども感心させられる。こういう美少女がやがて成長すればどういう境遇になるか、姉弟で父親と一緒に深夜の牛丼屋で食事をするというようなこういう少女時代を過ごしただけに、将来はその逆に華やかな幸せをつかむのではないかと空想してみたくなる。
デヴィ夫人みたいなのもいいな、いや、宮沢りえだっていいじゃないか。』

*何て言う一節がある。林葉直子って女流はその後どうしたのだろうか?あの引っ掛かった名人はどうしているのだろうか?

長き夜をたたる将棋の一ト手架哉(幸田露伴)


英文、

Europe’s history, written in ice - by Hannah Hoag NYT September 19, 2018 氷に閉じ込められている自然の歴史

を読み終わりました。

続いて、

Message from British rail companies: We’re so, so sorry - by David Segal NYT October 4, 2018 鉄道お詫びメッセージ

を読むことにしました。