(巻三十四) 旅さきにあるがごとくに端居かな(鷹羽狩行)

(巻三十四) 旅さきにあるがごとくに端居かな(鷹羽狩行)

9月9日金曜日

ここのところ晴れの日がなく洗濯物が乾かない。Tシャツの裾や袖がまだまだ重い。今日中に乾いてくれないと中二日のローテーションが乱れて困る。ネットの蘊蓄では洗濯物が乾く三要素を温度、湿度、風通しとしていて、扇風機や乾燥機、エアコンも有効だそうだ。

雨中なる洗濯物も秋の暮(小澤實)

どうしても買いに行かなくてはならないということはなかったが、米を2キロ買いに生協に行く。霧雨が降っていたので古いビニール傘を持って出て、道路に出てボタンを押して開いたら見事に雨中分解してしまった。即ゴミ集積場に回り廃棄いたした。

ぎりぎりの傘のかたちや折れに折れ(北大路翼)

出直して米を買う。何もかも値上がりの中で佐渡コシヒカリの無洗米2キロはいつも1130円のところが1030円になっていて嬉しくなる。去年米か?

世の中は回っているか今年米(拙句)

昼寝して、散歩。久しぶりに都住3でサンちゃん、ふじちゃんにスナックを振る舞う。二匹ともしっかり覚えていてくれた。そこから都住2に回ったが花子も太郎も不在。銀座や駅前まで行って飲みたくもなく、白鳥生協に行ってみたら4割引きの寿司があったのでそれで一杯いたした。締めて501円也。

願い事-知らないうちに死んでいたいのです。

死ぬ時は箸置くように草の花(小川軽舟)

「恐竜のギャロップ - 池澤夏樹」エデンを遠く離れて から

を読み返す。

《これは得られた資料の客観的な分析の結果としての学説のはずだが、しかしそれ以上に学者たち(ならびに人間一般)の心理の反映だったのではないか。十九世紀にはまだ元気だった恐龍像が今世紀前半になってなぜひたすら駄目な動物として描かれたのか。時代の不安というようなものがそこに影を落としていたとは考えられないだろうか。恐龍は栄え、恐龍は滅びた。とすれば、人間に同じことが起こらないという保証はない。なぜ恐龍は滅びたかという問いに対して、恐龍に滅亡の必然性を付与したい心理が人の方にあったのではないか。しかし、実際には恐龍の仲間は一億数千万年にわたって繁栄した。この事実に対してはそれなりの敬意が払われるべきであるし、そのために大胆な説を次から次へと繰り出しているのが、バッカーのような新しい世代の古生物学者である。

それにしても、われわれはそうまで淋しく、またそれほど滅びる日を恐れているのだろうか。そういう性向を持つ人間という種は、ぼくには恐龍よりももっと興味深い存在に見える。》

巨大隕石が衝突して一発で滅びるならそれはありがたいことだ。死を恐れる心理を分析している文章を読むと自己の喪失、自分の消滅を恐れていると書いてある。自分の存在が好きではないからそこのところは拘らない。

恐竜も秋刀魚も骨を残しけり(中島正則)