句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」
学問のさびしさに堪へ炭をつぐ(山口誓子)
先ずは、敬意を表して、
初恋や燈籠によする顔と顔(炭太祇)
昨日の午後はサボり、エコノミスト誌でも紹介された、巣鴨のとげぬき地蔵に行ってみた。
お地蔵さまのご利益の中にピンピンコロリがあるものと誤解していた。
日がな碁をうちて晩酌ほろ酔いで風呂に入りて父逝きにけり(石川義倫)
御守りを求めた際に、ピンコロはここのお地蔵さまではないと教えられた。
冬ぬくし地蔵に尋ねる分かれ道(?)
ここのお地蔵さまの売りは「身代わり」だそうだ。
形代のたぶん男の沈みをり(舟まどひ)
望むところは、ピンコロであるが、次善の「呆け封じ」の御守りを五百円で頂いた。
ひとりづつ人をわするる花野かな(井上弘美)
お地蔵さまの前の地蔵通りでは朝顔市が開かれていた。
置く場所のなき朝顔を貰ひけり(小野あらた)
地蔵通りも、駅前のアーケードも六十年近く前に比べればきれいになったものだ。
子供のころ、連れられて地蔵通りを通った思い出があるが、怖いと思った場所であった。
黴臭き煙草死ねよと賜わりし(小原啄葉)
そういう意味では、戦争の残酷さと言うもの、直接に近い形で、間接的に見ていた。
お詣りの後のお清めは、いつものとおり、年金生活者の watering hole でいたしました。
ねがはくは花のもとにて春死なむそこの如月の望月のころ(西行)