(巻九)春愁のもとをたどれば俳句かな(あらいひとし)

11月20日金曜日

高々4日5日の短期間でも、ゴロゴロと寝てばかりいると、足腰が弱るようだ。
多少の痛みと不快感はあるが、抗がん剤投与の最中の隣人に比べれば、私など病人ではない。
そのような中、申し訳ないが、ゴロゴロして好きなことができる環境は悪くはない。

それに、時々検温に来てくれて、尿袋の始末をしてくれる、看護師さんのキビキビした仕事ぶりを感謝しながら拝むのも心の肥やしなると思います。

その仕事ぶりを見ていると、日本の将来もそれほどは悪くないのではないかと希望を持ってしまう。


村上春樹氏の「雑文集」の第一読が終わりました。

村上春樹氏の作品の一つ「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」が息子の中学の課題図書になっていたこと。
また、氏はノーベル賞の季節になると取り沙汰されるので知ってはいましたが、不条理小説は私には無理なので、作品を読んだことはありません。
私は、読んだこともないのに不条理小説に決めつけている、不学の輩です。

私は小説を水先案内人として読んできました。
二十代末にゴッドファーザーの作者(マリオ・プーゾ、思い出せた!)が書いた、フールス ダイを読んで来るべき三十代を想定した。
三十代半ばで、マリード マンという四十代の男の生活を描いた小説を読んだ。作者は今は思い出せません。イギリスのバリスターの話であるから、直接参考になることはないが、主人公の目を通して語られる彼の周囲の人々(教員の妹、退役軍人の姑とその妻、不倫相手のソシアルワーカー他)の生き方なんかに納得したものだ。
四十代では、デビッド・ロッジの三部作を読んだ。最初に読んだのが「ナイスワーク」、ついで「スモールワールド」そして「チェンジプレース」を読んだ。
ナイスワークの五十代後半の主人公、ビクター、と家族、経営する工場での人間関係を眺めた。
デビッド・ロッジ氏はバーミンガム大学の文学部教授から専業作家になった人です。氏の「How to write」という小説の解剖書のような読みやすい評論集もある。
この本で、ミステリー、サスペンス、アドベンチャーなど手法の違いと意味などを初めて知った

今、読むべきものは、お経か聖書かな?
今は俳句を物語として読んでいます。

村上春樹氏の文章を読むのは初めてです。

理解できたところもありました。
第二読は鉛筆で書き込みを入れながら読ませていただきます。

巻末の解説対談(P523)で丸谷才一氏の「挨拶はむずかしい」という本が引き合いに出されていました。この本も、文庫になっていれば、是非読んでみたい。