(巻十一)停車場にけふ用のなき蜻蛉かな(久保田万太郎)

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5月27日金曜日

細君から帰りにバナナを二本買ってきなさいとメールがございました。普段、駅前のスーパーでは7時過ぎにはバナナは売り切れになってしまうのでなかなか難しい注文です。

バナナ食ふ女のエゴはゆるすべし(行方克己)

聞くところによれば、バナナの木はすべてクローンなので特定の黴病が流行すると全世界的に枯れてしまうそうです。その病気が流行り始めていて、フィリピンのバナナ農園では被害が拡がっているとのことです。
駅前のスーパーのバナナ売場も以前より縮小されたようで心配です。

黴臭き煙草死ねよと賜わりし(小原啄葉)

関連するのかしないのか?エコノミスト誌、BBC、NYタイムズなど、先週から今週にかけて抗生物質が効かなくなると言う特集を組んでおります。フレミングの予言の通り、いずれは追い付かれてしまうのでしょう。現在は年に70万人がこのために死んでいます。この拡大係数を2050年にあてはめると10億人が感染症で死ぬとの説もあるようです。長生きしてしまえば、野垂れ死を覚悟の中に入れて置かないといけないでしょう。

物の音ひとりたふるる案山子かな(野沢凡兆)

などと被害妄想になりながらスーパーのバナナ売場に向かうと御覧のとおり(写真)、バナナはまだ一杯ございました。

被害妄想者そこらを散歩冬の蝶(山口青頓)