(巻十三)これからは楽が一番更衣(三宅久美子)

11月6日日曜日

細君と義母の見舞いにホームへ行った。都合で早目の時間に訪問したが、ちょうど夜勤の介護士さんの引き継ぎ時間のようで個々の老人に状況をちゃんと引き継いでいるのが聞こえた。

父暮らすホームからくる請求に「コーヒー代」とありて平穏(北村修)

義母は面会者がいるので自室にしばらく残ったが、他の入居者は一纏めにして面倒を見た方が効率的なので遊戯室に集まる。集団保育と似たようものだ。お遊戯体操もするし、塗り絵も画くし、おやつもいただくようだ。面会が終わると義母も遊戯室に移って行った。
月に一度くらい訪問するが、この世とあの世の重なる場所で生き方を学ぶのではなく死に方を考えさせられる。

生かされて生きてしまつたこの四年桜の花は今年又咲く(川崎康弘)

10月31日の朝日歌壇・俳壇

短歌の方では、長尾幹也氏、夏目たかし氏、瀧上裕幸氏、愛川弘文氏というご常連が入選されていた。
俳句は

小山内豊彦氏の

星一つ失ふ宇宙流れ星

を書き留めた。