(巻十三)牛鍋や性懲りもなく人信じ(岡本眸)

イメージ 1

11月8日火曜日

今朝は一段と冷えた。

空白を靴下ひっぱり埋めにけり(潤)

仲通りの葉を落としたあとの並木の枝にLED球が巻き付けられた。

幹に枝喰ひ入るごとく抱きあひそれより先はせずして別る(佐竹游)

豆電球とちがって点灯していないLED球は見方によってはちょっと猥褻ですなあ。短歌のジャンルに佐竹氏作品のような性愛短歌というのがあるそうだ。俳句にはあるのだろうか?
最近書き留めた句に、

声掛けて体位交換花は葉に(岩永千恵子)

があり、

耕せば女性(にょしょう)あらわに匂い立つ(高野ムツオ)

はそれにあたるのであろうか?高野氏の句には凝縮した時間があり、含みを持たせて想像も広がる。


水木しげる氏の「極楽・地獄」は一応読みました。“はじめに”と“解説”を供覧いたします。志賀直哉の短編は結局読まずある。小説はもう読めない。

韮汁や体臭を売る私小説(花田春兆)

そこで、随分前に買った小泉武夫著「発酵」を読み返すことに致しました。

黴なんぞ一吹きで済む世代なり(原田達夫)