(巻十五)春待つや愚図なをとこを待つごとく(津高里永子)

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7月9日日曜日

旧宅の草むしりに出掛けた。この暑さなので朝早く出たが、九時を過ぎると日射しが強くなり室内の掃除に方向転換である。
草の伸びる時季ももう少しであろう?
細君は眼鏡の修理に池袋へ出掛けて行った。眼鏡売り場には老女をタブらかす老紳士風の販売員が揃っているようで、細君などすっかり某東京メガネの虜になってしまっている。

物好や匂はぬ草にとまる蝶(芭蕉)

旧宅からゴミや段ボールの束を回収しての帰宅なので途中で昼食ともいかず、一度帰宅してから近くの蕎麦屋に行った。
昼飯どきをやや過ぎたころで客は中年の男女が一組だけであった。
カツ丼で一杯やりながら、テレビを見るふりをして会話を盗聴した。
男は五十前後、女は四十五くらいで煙草を燻らせている。やはり夫婦ではないようだ。ではあるが、男の方がべらべらと喋る男の方の家族関係や離婚歴に相づちを打っているので親戚筋か何かか?
男女ともウーロンハイであるが、結構早いピッチで空けていく!
酒がまわるにつれて女が男に“恨み辛み”のようなことを言い出し、酒のせいか高ぶりのせいか、頬が染まって来た。
話は聞き取れるが、二人にしか分からないことが省略形でやり取りされているので 話の核心は掴めない。
飛躍して想像すれば、女がちゃんとした関係にして欲しいと責めているとも取れるが、肝心のところが二人の世界であった。

裏ばかり見る癖つきぬ夜盗虫(木本晴果)