どうでもよいことですが

どうでもよいことですが、

どうもよく分からない話が聞こえてきました。

税関の輸入許可貨物を輸入者に配達したところ、輸入申告し納税し許可を受けた品物以外の品物が出てきたそうです。つまり税関に申告する際に根拠とした仕入書(インボイス)やパッキングリストに記載のなかった品物(申告外物品)が混じっていたということです。このこと自体はよくある話で、税関の検査の時に発見されれば、一言お叱りを受けてから申告内容を訂正します。反対に不足しているということも、人間のやることですから、あるあるの話であります。不足があったからその分税金を還してくださいと申し出てもほぼ還してくれません。申告外物品があったとしても、余ほどのものでなければ修正申告をしていないのが実情でしょう。

税金だけの問題であればそんなものでよろしいのですが、今回耳に入った話の申告外物品はCITES(ワシントン条約と通称されている絶滅のおそれのある野生動植物の保護を目的とした国際条約)で国際間の取引が規制されている品物であったそうです。つまり金だけは済まない問題であったので、輸入者はCITESの所管官庁である経産省に事故の報告をしたそうです。

ここまではおそらく事実でしょう。

ここからは俄かに信じがたい部分もあるので、その程度にお読みいただきたい。

報告を受けた経産は、輸出者に起因する事故ではあるが、荷受人として再発の防止に努めるよう厳重注意したうえで、“税関において処理が可能であれば、その手続き後国内流通させて差支えない。”とのご沙汰が下ったそうである。

そこで輸入者は通関業者を通じて、経産対応も含めて、通関した税関に顛末を報告し、沙汰を仰いだそうである。

当初のご判断は申告外物品の修正申告を認める方向であったが、そこに訳の分からない上役の横槍が入り、“再搬入させて、再輸出させろ!”に指示が変わったとのことであるが、CITESの手続きを怠って国内に入ってしまったCITES該当品に経産が輸出承認を出すとは思えず、何とご無体なである。

と言う訳で、輸入者も通関業者も動きようがなく困っているというのが、信じがたいことはあるが、耳に入ってきた話である。

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思うに、先ず、報告を受けた経産の対応が、本当であれば、いかがなものかと思うところである。輸入者は、ある意味、彼の不利益になることを報告しているのであるから嘘はないだろうが、問題の品物が輸入品であり、税関手続きを経ずに国内に引き取られたものであるとの判断は下せまい。申告外で引き取られたか否かは税関が判断すべきところであるから、先ずはこの点をはっきりさせるよう税関に差し向けるのが妥当な指示ではなかろうか?

さて税関のご担当であるが、それが本当のことであれば、直ちに修正申告を認めるのはいかがかものであろうか。先ずは許可した申告に関して申告外物品が混入されていたか否かを輸出入者からの書面(可能であれば何らかのエビデンスを添えたもの)を徴し、確定すべきであろうと愚考つかまつる。

而して、申告外の外国貨物が存在することを認知した後、当該物品を含む許可済み貨物全量を保税地域に再搬入させ、当該貨物全量の許可を一度取り消し、経産の然るべき輸入承認を添えて全量再申告させ、輸入承認書による関税法70条の証明を経て再申告された貨物全量の輸入を許可するのが筋であり、輸入承認が得られなければCITES該当品とそれ以外に仕分けし、非該当品については輸入を許可しCITES該当品については輸入を許可しないというのが流れであると愚考つかまつる。

税関の輸入許可を得られず、また、経産の輸出承認が得られず結果として積戻しが出来なければ保税蔵置場に留め置くしかなく、やがて税関保税部門に外国貨物の滅却を申請し、廃棄するという結果になるほかなかろう。勿体ないとの印象を持たれると思うが、そもそも輸出国のCITES証明機関から証明書を取得しておくという手続きを怠ったのは輸出入者であり、そのことに起因する損害を被るのはやもう得まい。

許可を受けた貨物が流通状態に入っていて、散逸し、保税蔵置場に戻せないない場合の処理には裁量による部分が相当にあろうが、少なくとも、申告外品としての認定が先ず一歩であろう。もし仮に申告外物品とは認定できないということになれば、そもそも関税関係法令・輸入貿易管理令の対象である外国からの貨物ではなくなるのであるから、大手を振って国内流通させることができる。

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