(巻十六)猪突して返り討たれし句会かな(多田道太郎)

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10月15日日曜日

もう扇風機は要らないだろう。並べて、掃除して、押入れにしまった。

扇風機うしろ寂しき形して(伊藤広平)

という句もあるが、家電品の中では扇風機は長寿品であろう。戦前にもあった。兎に角電気製品の中の古兵(ふるつわもの)であろう。

形も機能も初期のデザインとそう変わってはいまい?
また暑くなれば呼び戻されて重宝されるのだから忘れ去られるものではない。それに、俳句の中ではよく詠み込まれていて立派に季語として確立されていらっしゃる。

我が家を見るに扇風機に対抗できる家電品はアイロンである。これも戦前からの電気製品で形も機能も変わってはいない。

ラジオ、電話機、電灯など戦前からの電気製品もその機能を果しているものはあるが、元々の形から遥かに小型化されたり、他の電気製品の従属的付属品に成り下がったり、原理・構造が全く別物だったりしていて、扇風機やアイロンの存在とは意味を異にしていよう。

だが、掃除機が円盤型になってしまうなどいつ激変が訪れるかはわからない。羽根のない扇風機が出回り始めたが、扇がないので風機(プー機)になるであろうか?

(メメントモリ)