(巻十八)質の利に折る指十のそぞろ寒む(尾崎紅葉)

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5月15日火曜日

近所に猫がいるが、野良でもなく飼い猫とも云えない。
したたかな猫である。団地に住む老婆数人を“垂らし込み”食事を運ばせ、段ボールの庵まで用意させたのだからいい腕をしている。
私から見れば、白黒の顔つきのよろしくない気味の悪い猫であるが、婆さんたちは猫なで声で愛想を振りまいている。が、したたかな猫は媚びない。頭を撫でさせるなどという隙もみせない。愛嬌を見せるとしても多少クネクネ歩き、尻尾を立てるくらいである。

野良猫との程良い間合い節分草(西田美智子)

この手管で一冬を庵で越したが、毛並みもよく肥えている。
世渡りのうまい紐猫である。

世渡りが下手とのうわさきりぎりす(山本直一)

呆けが始まったとは思いたくないが、集中力と云うか注意力が散漫になっているのは確かである。今日は会議を分かっていて、5分前にふと忘れたし、“帰宅するよメール”を二度打ちした。
考え事をすると、並行して何かに注意を払っておくことができなくなっているなあ。

今何をせむと立ちしか小鳥くる(ふけとしこ)

ここのところ湯船には浸からずシャワーだけにしている。布団も置いてはあるが掛けない。明日は9時くらいから25度を超えると予報している。

湯上りや世界の夏の先走り(平賀源内)

そうだ、風呂のガスと換気をもう一度確かめておこう。

結果:ちゃんとやってありました。

夜の音生む蛇口絞めなほす(福永耕二)