(巻十九)雨降ってコーヒー組と紅茶組(中原幸子)

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8月23日木曜日

今日もお休みをいただいた。火曜日と木曜日を休みにすると細君の脳内カレンダーが狂うようで“今日は何曜日だっけ?”の問いが増えた。
ここのところは相場も落ち着いた様子なので京橋まで買い物に出掛けた。買った翌日に百円も下がったのでは、いくら短期の利殖のためではないと云っても心持ちがよろしくない。
そんなわけで残暑酷しい街に出た。残暑が酷しいので救急車は忙しいようであります。

蓋あけし如く残暑の来たりけり(星野立子)

買い物も3回目になりましたのでトントンと終わりまして、楽しみしている京橋高速沿いの大舷でチラシをいただき一杯付けた。締めて千六百五十円である。
大将の大将節では台風で海が荒れて夏の魚が高騰とのことだ。秋刀魚はなんとかランチに出せるが高くて鰯は出せないとのことだ。河岸に魚がないと云う。ワサビはキロ二万何千円とか言っていた。

うつくしや鰯の肌の濃さ淡さ(小島政二郎)

台風や河岸に上がらぬ青魚(潤)

飯を食ったあとの一服をしに京橋の交番横にある喫煙所に行ってみたら閉鎖されていた。どんどんと吸える場所が無くなる!
やむを得ず上野駅まで戻り十一番線のベックスで230円のアイスコーヒーを飲んで一服した。

本日のコチコチ読書は、いよいよ

世阿弥の《風姿花伝》について
ー 立原正秋

に手を着けました。

“ 中世の能の大成者である世阿弥の〈風姿花伝〉について簡単にその出逢いを語りたいと思います。私は一介の文士にすぎませんので、考証的なことは避け、彼との出逢い、つまり世阿弥が私の裡(うち)をどのようなかたちでよぎって行ったか、また、私が世阿弥の世界をどういう風に受けとめながら通りすぎて来たかをおはなし申しあげ、それが、みなさんの読書案内の一助になればと思います。”

が出だしです。この文章はラジオでの講演をおこしたもののようです。
花伝書はもとより能についてまったく知識のない私にとってはこの読みやすい文体はありがたい。

能面の深井の口は半びらき何か言ひたい中年のくち(水上比呂美)

そうそう、この文庫版は昭和五十九年の初版のようです。そして写真の栞が挟まれておりました。