(巻二十)秋雨のラジオをけせばひとりかな(中久保まり子)

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11月3日土曜日

方向音痴の細君が新しい歯医者さんまでの道を一緒に歩いて、分かりやすい地図をつくってくれと云う。
路地から路地へと近道を行けば三分の2で行けるが、広い道で覚え易い“ランドマーク”を伝って行くので三角形の二辺であります。

間違ひのもとは近道枯芒(木津和典)

その途中に“(矢印ボード)”をかざす中学生と指導の教員らしきをみとめた。今日は地区の“ロードレース”の日だそうだ。

あきかぜのなかの周回おくれかな(しなだしん)

細君は方向音痴だけではなく運動神経も人並み外れているが、いわゆる“オール5”少女であったそうだ。しかし体育だけは盛って戴いても“3”だったそうだ。
その少女が唯一好きだったのが長距離走だったそうです。校内マラソン大会では先頭を走ったこともあったそうで、ロードレースの準備を見ながら吹いておりました。

ラソンが歩いて来たる野菊かな(細川加賀)

歯医者さんの所在確認を終えて、応用動作として駅までの経路確認をいたしました。
曲がり角の美容院の名前を地図に記せとか鈴木医院は小児科とちゃんと附記しろとかうるさい!
九時半に駅前に到着した。ヨーカ堂の食品売場は10時開店なので待つのも馬鹿馬鹿しいのでビィーンズで食品を調達した。
先ずはお茶屋でお茶を買ったのだが、細君がどれにしようか迷っていると他のお客である同年輩のお婆さんが「あんた、これにしなさい。これの方が安くて絶対に美味しいから。」と細君に薦めていた。この場末の地のあの年代のおばちゃんに見られるコミットメントである。

老夫婦はそんな文化の日の午前を過ごしたのです。

文化の日を詠み込んだ句は多い。元旦、大晦日、節分、立春、敬老日に匹敵するのではなかろうか。少なくとも私の『立読抜盗句歌集』ではそうである。

すぐ乾く修正液や文化の日(金指まさる)

文化の日人集まれば序列あり(延平いくと)

「湧きました」風呂も声出す文化の日(大森蛍子)

貸金庫カードにかはる文化の日(関野寿子)

神様を自由に選び文化の日(前田弘)

つつがなく目鼻耳口文化の日(隈元拓夫)

健康を数値で説かれ文化の日(藤巻朋子)

今日のコチコチ読書、

和文

「鍋料理の話 - 北大路魯山人」中公文庫 魯山人味道 から

英文、

Tourism - Wish you weren't here (The Economist October 27 2018) 観光客の名所集中

和英ともに継読です。

英文中に

“list of things to do before I kick the bucket
と云う言い回しがあり、調べてみた。“死ぬ前にやっておくべきことのリスト”と云う意味なので推測の範囲内であるが、 kick the bucketの深意が解説してあり面白い!その意は首吊り自殺するときにバケツに乗って縄をかけ、そのバケツを蹴って敢行することが深意だそうだ。

Analysts at Skift, a travel website, attribute it to the rise of “bucket lists”. Popularised by a film of the same name in 2007, whick featured a “list of things to do before I kick the bucket”, these internet list direct tourist to the same “must see” places.