(巻二十三)酒場には紙の桜の弥生かな(吉屋信子)

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(巻二十三)酒場には紙の桜の弥生かな(吉屋信子)

8月5日月曜日

熱帯夜だが、エアコンも扇風機もなしで、よく寝れました。
在宅四日目となりました。今日も外出は午前中の生協までございました。
そして、夕食の仕度も午前中のまだ涼しいうちに終わらせています。

熱帯夜くすりのやうに水を飲む(川村研治)

午後は昼寝です。

昼寝明けにゴミ捨てに出たら路地で野良猫も昼寝でございましたよ。一撮!

風のみちここぞと決めて三尺寝(岡野俊治)

在宅期間中は、まず、タバコを吸いません。四日間完全禁煙ですが、特に吸いたいという気にもなりません。
酒ですが、こちらは隠れて寝る前に缶酎ハイを一本やっておりますが、それで十分であります。

ラジオはFM葛飾にしておけば雑事は入りません。知らなくて損をすることがあるかも知れませんが、知らずに葬られるのなら、“あたしゃ、それでいいです。”
世の中からは随分とカスリましたから。

世事はみな人にまかせて花と鳥(井上井月)

煩[うるさ]い親戚や煩[わずら]わしい付き合いはもうございません。
ネットでの淡泊な“いいね”程度の付き合いちょうどよろしいようです。
そして逢いたい人とはたま~に会えれば、それでよろしい。

そのような、隠居生活も今日までで明日からは娑婆に出て行かねばならないなあ。でも三日行けば盆休み。

本

「無慈悲の人、養老[老ヲ養フ] - 養老孟司」文春文庫 涼しい脳味噌 から

を読みました。長寿に対する疑問の投げ掛けですが、どういうタイプが長生きするかを古典から拾っております。
例えば。

『 老人と言えば養生訓、養生訓と言えば貝原益軒。その巻第八は、養老[レ点付き-老ヲ養フ]である。私としては、読まざるを得ないが、残念ながら面白くない。老人はじっと静かにして極端なことをするな。怒ってはいけない。悲しみ嘆いてはいけない。葬式には関わるな。考え過ぎるな。口数を減らせ。早口でしゃべるな。大声で笑うな、歌うな。いくら老人とは言え、これではすでに、半ば死んだも同然という気がする。これで寿命を延ばして益軒はいったいどうするつもりだったのだろう。』

です。

沢庵和尚に『骨董録』という養生訓からも、

『 「仁とは、人を愛りん[漢字]する道なり。心神をくるしめても、義を欠くまい、礼を欠くまいと思へば、行くまじき所へも行き、久しく居るまじき所にもをり、長座窮屈にくるしみ、風雨雪霜をもかへりみず、信のために心身をくるしましむ。是れみな道にたがふまじきとおもふ故なり。かくのごとくならば、道しるゆへに寿みじかきなり」
現代はこういう律儀な人が減少したから、平均寿命が延びたのではないか。ひょっとすると、医学も経済も養生訓も、長寿には無関係かもしれない。』

とおっしゃっている。

この文庫のカバーの筆者紹介には1937年生れとあり、没年は出ていない。八十一歳で存命のご様子である。今のところ平均的なワルの様だけれど、相当なワルだったということになるかも知れない。