本日の句歌

句歌控帳「立読抜盗句歌集」

月見草のつぼみのさきに花粉かな (高野素十)

今月の「角川俳句」では名句の評論、「これは名句なのか?」を特集している。
その遡上に乗った20句のうち、小川軽舟の「死ぬときは箸置くやうに草の花」に対する今井聖の評論の締めくくりを戒めとして読まさせていただきました。
その部分は以下のとおりです。

考えてみるに人間は年を取ると「愚直」だの「一徹」だの「生き下手に生きて」だの「清貧」だのと、婉曲にみせてあからさまな自己肯定に陥り易い。
われらみな狡猾で嘘つきで自己本位だからこそ生きてこられたのに。そういうジコチューの老人こそこの句のような「死」を願うのではないか。


耳に心地好く、潔い句として書き留めた後で、評論を読み、俳句の難しさを僅かながら知りました。

そして、私は「ジコチュー老人」です。