(巻九)ぴつたりしめた穴だらけの障子である(尾崎放哉)

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1月9日土曜日

昨日、成田からの帰路、車窓から夕日を拝みました。夕日というものは見る人の歳によってその美しさへの感慨が異なるものでしょう。

ひと駅で桃黒となり冬夕焼け(潤)

マニラ湾に沈む夕日を見てはらと涙を落としたご婦人を知っております。あまりの美しさに感動したのでしょう、と、現地の若いドライバー、ギルバート、は自慢げに申しましたが、晩節に至っていたそのご婦人は人生を見たのだと思います。

夕焼けて西の十万億土透く(山口誓子)

NHKカルチャーラジオの新四半期木曜日“文学その魅力”は宮沢賢治作品と彼についてです。金曜日の科学はガラパゴス島についての講義のようです。

ぼんやりと脳もからだもうす白く消えてゆくことの近くあるらし(宮沢賢治)

土曜日の夜のBAYFMのコジマタカヒロさんの番組がつまらなくなってきたので、9時からはNHKの「私の日本語字典」に乗り換えました。今月は玉川大学の先生が平安時代の家訓文書についてNHK放送文化センターの秋山和平氏と語り合っています。

嚢中に角ばる字引旅はじめ(上田五千石)

昨年末にタカヒロさんの番組“I'm alive”の編集構成方針が変わったようで、“I'm alive”がかつてもっていた馬鹿馬鹿しさが無くなってしまった。
視聴率とかスポンサーの意向とかもあったのでしょうが、前のスタイルを、女性を含めて、センスのいい大人たちが支持していたと思います。
番組デレクターが反省し、あの馬鹿馬鹿しさが戻って来るまで、そして“白井の大五郎”氏を始めとする常連投稿者の惚けが聴けるようになるまで、旅に出ます。

考えがあつての馬鹿や冷奴(加藤郁乎)