(巻九)この顔が死後の顔かと思いつつ手術の朝の髭を剃りおり(小倉太郎)

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1月10日日曜日

しっかりとした朝日が、向かいのマンションの屋根を越えて、我が家の一階の台所兼食堂兼居間兼書斎に入ってきたのは7時52分でした。

戸を引けばすなはち待ちしもののごとすべり入り来ぬ光といふは(宮柊二)

台所として朝食を用意し、用意したトースト、紅茶、バナナ、ヨーグルトを食堂になった同じ場所でいただいたあと、そのままで書斎机に変わったテーブルで一週間遅れの俳壇・歌壇を読み、二句を書き留めました。

顔見世や義理と忠義に入り浸り(伊佐利子)

着ぶくれて老けゆく歳を繕はず(下村康彦)

歌の方では、ご常連、長尾幹也氏の“厳しい”歌が入っておりました。

営業への配転言えば「無理です」と初老の顔が泣くばかりゆがむ


夕食の支度を手伝っていると、細君がテレビで見た惚け防止のトレーニング方法を語り始め、試されました。
一番目は数字を聞いてオオム返しにする訓練、つまり「9274」と聞いたら其のまま「9274」と繰り返す訓練です。やってみると、桁数が増えると大変でした。
二番目は、一番の正順繰返しを逆順で繰り返す訓練です。つまり「9274」と聞けば、「4729」と返す訓練で、4桁でアップアップでした。

このように、一日の大半を台所兼食堂兼居間兼書斎で過ごしました。我が家で暖房があるのはここだけでなのです。