(巻十三)犬の子の鳴くに目ざめし霜夜かな(森鴎外)

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12月26日月曜日

向こう6ヶ月間の通勤手当が支給されたので定期券を購入した。雇用契約が延長されるかはっきりしないが、定期券と社会保険はやはり有難い。
定期券があるので、都内散策も気楽にできるが片道千円の交通費を掛けての散策となれば気の向くままには足を延ばせまい。

定期財布ハンカチ小銭入立夏(川崎展宏)

今日までは天気も良さそうなので午前中、お台場方面に出掛けてレインボーブリッジを渡った。ゆりかもめはクリスマスと新年の間の月曜日ということで空いていた。先頭車両の最前列でコンクリート線路の先の景色を楽しんだ。

東京湾一景にして秋の風(あきのり)

新橋に戻り、日比谷図書館で無料の“大名屋敷展”を覗いた。明治初年にニコライ堂から撮影した360度パノラマ写真は一見の価値在りである。遠景が霞んで見えなくなるまで甍の波が続いていて江戸・東京の巨大都市ぶりを実感できる。ほかの展示品は江戸地図と大名屋敷跡から出土した瀬戸物などでちょと寂しい。全体で見れば無料が妥当であると思う。

坂が好きことに名を持つ坂が好き東京の坂を歩く雪晴れ(飯島幹也)

次いで、二階の閲覧室で“俳句界一月号”を捲り句を漁り、

露の世のなほも仮想の世に遊ぶ(近藤七代)

ほかを書き留めた。

新年号ということで大御所の作品が掲載されていたが、一生懸命に発句するのも大変でしょう?

一句得るまでは動かじ石蕗(つわ)の花(阿部みどり女)