(巻十四)露の世の洗ひ続けて箸茶碗(橋本喜美枝)

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3月24日金曜日

句帳を眺めていて有楽町駅を乗り過ごしてしまった。これも春が来たからかな。
“乗り過ごし”で俳句検索したら、多作の高澤氏の句に

忘年の駅乗り過ごす為体(高澤良一)

“為体”の読みも意味も解らずネットのお世話になった。“ていたらく”と読むとあった。意味はそういうことだ。


荷風の随筆集『日和下駄』の最後の最後に出てくる“原木”にあるお役所へお願い事の相談にうかがった。そのあと西船橋まで歩き、先日懐かしく前を通った京成電鉄“西船”駅の近くのもつ焼屋“兵助”をのぞいてみた。
40年ほど前に若禿だった二代目は耳の遠くなった爺になっていたが、一人で仕切る店で団扇を扇いでいた。
こういう店は飛び込みの客に愛想などはない。5時過ぎに入ったので他に客もいない。常温で一合お願いし、もつ焼き一皿五本450円をお願いしテレビで相撲を見ながらチビチビいたした。

公園の茶屋の主の無愛想(高浜虚子)

琴奨菊が勝ったあたりから観戦し、どちらも好きな高安と嘉風の一戦で嘉風の将来性を確信し、照乃富士と鶴竜戦では照乃富士の本来の強さと負傷を克服した姿を見た。と同時に鶴竜の辛さに思いを巡らせた。結びの一番稀勢乃里対日馬富士戦では相撲もスピードがものをいうということを改めて感じさせられた。
解説は北乃富士親方であったが、しっかりした視点でいいお話をされる。
“兵助”に話は戻るが、三合飲んで、もつ焼き五本と砂肝二本で1600円だ。高くはない。写真の通り肉はコーラクに比べてデカイのでこれもよしである。爺も後から入ってきた常連には普通に愛想がいいし、勘定を受け取るときには一応の挨拶はする。
わざわざ足を運ぶ店ではないが、何かの機会にこのあたりを通ることがあれば、お薦めいたす。