(巻十五)寒禽の取り付く小枝あやまたず(西村和子)

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7月14日金曜日

その昔、十年一昔と云えば二昔前にRILOと云う事務所で働いていたことがある。その頃の同僚のSKが定年退職して、退職旅行で香港からやって来た。
当時の日本人メンバーが集合し歓迎・旧交を温める運びとなった。
幹事さんには、会社の飲み会と重なったので遅参ご容赦とお願いしておいたが、会社の飲み会が霧散したので遅参のための時間調整が必要となった。
こう言うときは神田淡路町のコーラクである。暖簾をくぐったときに居たのは爺が二人であった。オールスター戦を見ながら二杯呑んで時を潰したが、次の飲み会の場所、新橋四丁目の“双葉”と案内されていたが、四丁目が駅前なのか田村町の方なのか分からない。
女将に助けを請うと地図を広げて四丁目は駅前だと教えてくれた。更に女将さんは、皇居から近い方から一丁目と決まっている、と江戸の常識を教えてくれた。
夜の8時を過ぎての新橋の路地を歩くのは久しぶりであったが、其処は異国であった。

租界めく町の匂ひや夏の果(村井康司)