(巻十五)欠伸して鳴る頬骨や秋の風(内田百鬼園)

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6月5日月曜日

“駅員さんを呼んでください!”と云う絶叫があり、若い女性が中年男の手首をしっかりと握って“痴漢です。駅員さんを呼んで!”と叫びながら下車した。駅員がすぐにやって来たが男は逃げる様子もなくであった。山手線はさっさと新橋を発車してくれたので、その後を見届けることは出来ず。

囀りの中絶叫の鳥ありし(岡田日郎)

NYTの記事でフェースブックマイクロソフト、アップル、グーグル、アマゾンの五大IT無しの生活ができるか?と云う随筆を読んだ。著者曰く、フェースブックは代替が効く、マイクロソフトはワードだけしか使っていないのでそれを我慢できるか、であるとしている。アップル無しの生活となるとiPhoneを初めとする機器が使えずかなり厳しくなり、グーグルなしだと1992年頃の心貧しい生活になると云っている。
そして、最も困るのがアマゾンだそうだ。オシメからトレペー、珈琲に電気製品と便利さに頼り切っているので“なし”では生活が出来ないそうだ。

我輩にはあまり影響のない話であった。

そんなにITなのに帰りの電車も混んでいた。写真は荒川橋梁から埼玉方面の怪しい雲行きである。

電脳の反乱近しガマ(漢字)が鳴く(畑山弘)

そんなところへ細君から“米を買って帰れ。”の下命が入った。二キロか五キロかの確認をすると“二キロで勘弁してあげる、”と来た。二キロは問題ないが、いつ五キロが無理になるか?アマゾンか?

年寄りに五キロは重し早場米(潤)

二日空いたので駅前通りの“ときわ食堂”を覗いた。今宵は“ぶつ”と決めて暖簾をくぐる。
テーブルには一人二人と先客が座り、無理に相席をお願いするのも嫌だなあと思っていたところに、“前、空いてるよ。おいでよ。”と声が掛かった。
ご一緒したのは我輩よりは年輩の元はほぼ間違えなく町工場の親爺だ。
友達と来るはずが、振られて独り酒だと云う。独り酒の出来ない親爺さんのようで話好きである。

合席も淋しき人かおでん酒(原田青児)

先ずは野球から入り相撲と続いたが、正統派の“巨人・大鵬・なんとか”であり、長嶋様々の御仁である。「原が監督のときに四番打者を58試合色んな奴に打たせたが、それから巨人ファンを止めた。それにしても十連敗とは情けない。」などなどのお話を聞きながらぶつで二合いただいた。