(巻十七)叱られて拗ねたる夫の端居かな(内田歩)

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1月30日火曜日

家庭内のルールメーカーは細君である。郵便配達夫ではないが、ベルは間隔を空けて二度鳴らせと云うルールくらいはいいがどんどんと決まりを作る。

妻の言ふとほりにしたり菊根分(安田明義)

数値基準で決められたルールはよいが、“ちゃんとやる”などの観念的ルールは厄介で、文句を云われると釈然としない。
釈然としないと云えば、関西の角さんは例のHS8302
項の「・・・類するものに限る」の類する範囲のファジーさに釈然としないようである。欧米は広くとっているようだ。事前教示回答でも広く見ているのもあれば狭く見ている例もあるので、角さんも益々釈然としないわけだ。
角さんとの電話が終わってメールをチェックすると関東の助さんが「釈然としません!」と言ってきた。
お役所が今後はHS300219号を使っての申告はしないようにと言ってきたと言う。
分類自体の当否の問題ではなく、HS300219の輸出入申告が極めて少ないので避けよと言うにわかには信じられない理由だと言う。
HS品目分類表は国際条約で合意されたもので、ある分類番号の品目の国際的な貿易量が減れば合意により品目分類表から外されるのがルールである。最近ではタイプライターが合意によって外された。
ルールに従えば、一お役人が言える話ではない!
助さんが釈然としないのは、大変ごもっともなことである。助さんにしても角さんにしても、あのお役所を相手に長年お仕事をされてきたのに大切な感性を喪われずいらっしゃる。元はその一味であった者として感服いたしました。

さて、それぞれのお話をうかがってのわたくしの対処は、“長いものにはまかれる”で行きましょうであった。

ゆるゆるとゆるゆる蛇に巻かれけり(佐藤文子)

細君のルールではありませんが、ルールを決める側が絶対的に強いわけですから、逆らったってあまりいいことはありません。実害実損失が出ないのであれば放って置きましょう(実は実益が出ている)。
第一、相手は“釈然としている”のですから仕方ありません。実はこのあたりが問題ではあるのですが。

ぴつたりとしめた穴だらけの障子である(尾崎放哉)



抜け道の柵守りたる蛇苺(友井正明)

か?

そしてわたくしも歳をとった。


角とれてなどと褒められ敬老日(佐藤益子)


(御所望により追記)

(HS7326)

http://www.customs.go.jp/tetsuzuki_search/bunrui/J1/17/J11701642.htm

(HS8302)

http://www.customs.go.jp/tetsuzuki_search/bunrui/J4/16/J41600120.htm