(巻十九)月を見ず月に濡れをる観世音(小豆澤裕子)

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9月13日木曜日

本日にて巻十九の読み切りとなりました。追って一挙掲載いたします。

本日は親分さんの配下の猛者が私の卒業を祝し飲み会を設けて下さいました。誠に有り難いことでございます。
場所は御徒町でございまして、来て下さる方々が渦中の成田方面ですのでそう言う意味では最適な場所でございます。
私は上がりの時間が早いので五時頃に御徒町に着き、先ずは会合場所の飲み屋さんを確認し、それからルノアールで時の来るのを待つことにしました。
ルノアールでは悪酔いしないようにチーズケーキを頂き、足首の運動などしながらゆっくりいたしました。結構いい値段がいたしますので一時間半くらいの長っちりは赦されるのでしょう。
親分さんから“もう店に入っているから、さっさと来いよ!”とフライング気味の電話をいただき急ぎ参上いたしました。
関西空港のことがあり、皆様ご多忙にも関わらずおいで下さいました。三時間ちかく呑み歓談いたしましたが、善き方々のご支援と庇護をいただいたことをあらためて感謝した次第です。

さすたけの君がすすむるうま酒に
さらにや飲まんその立ち酒を(良寛)

今日のコチコチ読書、

「武蔵野 - 国木田独歩」文春文庫 教科書でおぼえた名文 から

を読み切りました。終盤に美文調発揮です。お楽しみください。

帰りも矢張凡(およ)その方角をきめて、別な路を当てもなく歩くが妙。そうすると思わず落日の美観をうる事がある。日は富士の背に落ちんとして未だ全く落ちず、富士の中腹に群がる雲は黄金色に染て、見るがうちに様々の形に変ずる。連山の頂は白銀の鎖のような雪が次第に遠く北に走て、終は暗澹(あんたん)たる雲のうちに没してしまう。
日が落ちる、野は風が強く吹く、林は鳴る、武蔵野は暮れんとする。寒さが身にしむ。其時は路をいそぎ玉え、顧みて思わず新月が枯林(こりん)の梢の横に寒い光を放ているのを見る。風が今にも梢から月を吹き落しそうである。突然又た野に出る。君は其時、

山は暮れ野は黄昏の薄(すすき)かな

の名句を思いだすだろう。

* 山は暮れ野は黄昏の薄(すすき)かな
がどなた様の句か判らず、ネットのお世話になりましたところ、蕪村とございました。
情景句はなんと云ってもむずかしうございます。
この随筆は中学二年の教科書だそうです。