2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧
句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 みはるかす全円の空紛れなし槍よ穂高よ木曽の御岳(来嶋靖生) どこから、見渡したのだろうか。 富士山頂からだろうか? 鶴の湯の 廃業決まり 明日より 東京の富士 またひとつ減る (上田国博) 板張りの都営住宅育ちであるか…
句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 まだ誰のものでもあらぬ箱の桃(大木あまり) 問題は“桃”ですよ! 林檎だと、 手に受けし林檎の中の闇思ふ(小谷一夫) 蜜柑だと、 なに気なく手にするものに蜜柑かな(山本幸子) 柿だと、 柿ひとつひとつ漆器のやうに拭く(中田…
句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」 待つていし今日の寒さでありにけり(ほりもとちか) この句は座右の銘にしたい句です。 昨年の暮れの同日の俳壇にもう一句入選した、 気構への一歩遅れし寒さ急(蔭山一舟) 巻六 との読み比べで、 人生の準備と覚悟のことを学…