本日の句歌

句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」


まだ誰のものでもあらぬ箱の桃(大木あまり)


問題は“桃”ですよ!

林檎だと、

手に受けし林檎の中の闇思ふ(小谷一夫)

蜜柑だと、

なに気なく手にするものに蜜柑かな(山本幸子)

柿だと、

柿ひとつひとつ漆器のやうに拭く(中田剛)


てすが、桃だと、

中年や遠くにみのれる夜の桃(西東三鬼)

になります。


ですから、

メッセージへの御返しは、率直に、

弓なりに橋さえ耐えているものをどうしようもなく熟(みの)りゆく性(永田和宏)


でまいりましょうか!


今晩のNHKアーカイブスは安藤鶴雄さんでした。
四谷の鯛焼き屋のお話などを大村さんが挟んでくださり、肩を張らずに聞けました。

安藤鶴雄さんの語り口はちょっと江戸ことばとしては、抑揚がありすぎで、正統とは違うのかな?

名月や畳の上に松の影(宝井其角)