(巻三十五)飛行機雲何やらさみし尾が切れて(桜庭まさる)

(巻三十五)飛行機雲何やらさみし尾が切れて(桜庭まさる)

 

12月7日水曜日

好天の朝だ。そろそろ血圧の検診に行く時期なので血圧手帳の週平均を叩いてみた。均してみれば127ー83あたりだが時々、特に測定の一回目二回目に、150ー90なんてのが出る。まッ、イッか⁉

朝家事は洗濯日和につき毛布干しと洗濯物干し。

買い物から戻った細君が卵を冷蔵庫に収める途中で落として割った。もし同じことを私がやれば何を云われたやらであるが、奴は平然と「後で、買ってきて」、で終わりです。で、卵を買いに生協へ出かけた。天気がいいから、まッ、イッか⁉

ついでに猫のスナックを3パッケージ買ってポケットに入れて帰ってきたが、途中で一つ落としたらしい。悔しいが、まッ、イッか⁉

帰宅して毛布を取り込んでいたら蜂が一匹部屋の中に迷い込んできた。なんとかお引き取り願ったが今日の陽気はそんな陽気だ‼

騒がねば蜂は優しと庭師言ふ(上田秋霜)

昼飯食って、一息入れて、散歩。

図書館から笠間稲荷、蓮光寺、亀中、クリニック、都住3、都住4、富士の湯と歩き、白鳥ファミマで珈琲しながら飛行機雲を一撮して帰宅。

今日の猫さまたちは、先ず午前の買い物帰りに久しぶりに団地内にいる玩具猫の成れの果てのトイちゃんで、会ってスナックを一袋あげた。トイちゃんもしっかりと覚えていてくれて向こうから近づいてきた。顔の傷が無くなり毛並みもよくなったのでどうしてかな?と耳を見ると避妊印のカットが入っていた。よかったのか、よくなかったのか。午後の散歩で稲荷のコンちゃん、都住3のサンちゃん、フジちゃん、クロちゃん。それに都住4のところで初対面の白黒と交流。スナックがとても美味しかったようで食べてしまったあとも嗅ぎまわっていた。虐めた人はしっかりと覚えるが、旨いものをくれた人もしっかりと覚えるので先が楽しみである。

帰宅して顔本を見ると元上司のBridgeStone氏が以下の所感を述べられていた。

《先日、都民割クーポンを使い新宿で買い物をしました。クーポン利用に際し、多くの店が電子クーポンのみ利用と言うことです。紙クーポンは数店しか使えませんでした。この2・3年で電子化が進みましたね。僕も負けられません。》

いわゆる、Payに入らないと買い物も出来なくなるわけだ。スイカや生協のポペタンなどのプリベイドならよいが、口座経由は嫌だな。デビットカードとプリベイドで凌げないものだろうか?

願い事-涅槃寂滅です。

My entire life can be described in one sentence. It didn't go as planned, but that's OK.

との警句に出合った。計画したわけではないが、二十歳のころそんな人生になるのかなと思っていた範囲内に収まった。後は上手に果てるだけだが、イメージと云うか希望はこのあたりで“急性腎障害であっさりと逝く”だ。

(林隆三氏、享年七十腎不全・一週間だったらしい。)

秋茄子やあとは上手に果つるのみ(阿知波裕子)

 

「焼きトリ - 内館牧子」ぷくぷくお肉 から

 

を読んだ。そして以下を思い出した。

 

「ジョー、鉄兵、松太郎はこうして生まれた - ちばてつや新潮文庫 百年目 から

 

僕が気になるスポーツは、野球と相撲。リアルタイムで見ることができなくても、必ずテレビでチェックして、安心したり、ガッカリしたりしてから寝ます。でも、どちらかというと、観戦するより、自分でする方が好きですね。

テニスと草野球をやっています。特にテニスは、ラジオ体操代わり。毎朝8時頃起きて、何か口に入れて、近所のテニスクラブで一汗かいてから顔を洗う(笑い)。これは、ひとつには、アトピー体質改善のためなんです。汗をかいて、お風呂に入って、薬を塗るという生活のリズムがあると調子がいいんですね。一汗かいてからだと、非常に落ちついて仕事ができるということもあります。昼食をとってから夜中の12時まで仕事をするのですが、こんな風にスポーツを生活に組み込めるようになったのは、ここ10年のことですよ。それまでは、眠る暇もないほど仕事に追われていましたから。

スポーツ漫画を描き始めたのも、少年マガジンの方針。僕の意志じゃなかったんです。それどころか、仕事が遅いから週刊誌は自信がないと断っていたくらい。そしたら、今度は原作者をつけるから構成と絵だけやってくれと頼まれた。そこで、渋々受けたのが「ちかいの魔球」だったんです。本でルールを見直したり、人気球団をリサーチしたり、担当の編集さんに教えてもらいながら野球を覚えました。もちろん、子供の頃から草野球くらいはしていましたけれど、最初はマウンドを描くのを忘れてしまうくらい野球には疎[うと]かったんですよ。

あしたのジョー」の場合は、「ハリスの旋風[かぜ]」という作品を書いた時に、ボクシング部で暴れるエピソードがあったので、ボクシング部の雰囲気というのはどんなものか見学に行ったんです。その時、取材したコーチの話の中に、「この中のほとんどの人間が、咬ませ犬として潰れていくんだ。才能があって光っているやつが上へ行くためにね」という言葉があって、それを聞いているうちに、この世界のことを書けそうだなと、初めて自分から描きたいと思った作品でした。

 

 

それぞれのキャラクターは、取材をしているうちに浮かび上ってきます。たとえば、相撲の教習所から相撲部屋までお相撲さんを尾行したことがありました。すると、教習所の食堂で驚くほど食べたのに、帰りにペロリとラーメンを平らげちゃう。その後でお菓子を買って、可愛い女の子が通ると目で追っている。そういう姿を見ると、彼らはまだ子供なんですね。しかも、部屋に戻ると厳しい生活が待っている。教習所から部屋までの道中だけが天国なんだなとか、いろいろなことが見えてくるわけです。

種目は何でもいいんです。松太郎というと相撲漫画、鉄兵というと剣道漫画と言われますが、僕が描きたいのは、人間のドラマなんですよ。松太郎のような無神経な男を相撲という封建的な世界に放り込んだらどうなるのか、鉄兵のような野性児を都会の規律の厳しい名門学校へ入学させたらどうなるのか。人との出会いによって、輝きのない人生を送っていた人が自分の才能に目覚める。あるいは、不良で危なっかしい人間が生きる悦びに気がつく。そうなった時にひたすら人生を昇りつめていく姿を描きたい。僕にとって、スポーツものは、人間の生きざまをわかりやすく表現するための手段なんですね。

もちろん、そこにはドラマが必要です。ジャイアンツが桑田を指名した時に清原が泣いたでしょ。その後で西武に入団しジャイアンツと戦って、優勝が目前の場面でも泣いた。それを僕は一塁側で見ていたんですが、胸があつくなるようなドラマを感じました。あるいは、才能はあるのに身体[からだ]に恵まれない、逆に身体はあるのに才能が足りないという場合もある。そういう挫折を繰り返しながら成長するところにドラマを感じます。だから、おしなべて身体に恵まれていない人が努力する姿を描くのが好きなんですよ。相撲でいえば寺尾。あの身体で真っ向から攻めて弾き飛ばされたりしている姿を見ると、ああ健気[けなげ]だなと応援してしまう。野球でいうと、大石とか若松。身体のない人は精一杯やらないとみんなと並べない。スポーツは何でも格闘技ですから、思いっきり燃焼しているという感じがして爽やかなんです。

勝ち負けは二の次。たとえ負けても、よくやったと思うことができれば、見ている方も元気になれます。そこがスポーツの素晴らしいところだと思います。感動に、プロもアマもありません。草野球といえども、ファインプレイがあれば興奮しますよ。

実は、僕、この間テニスの試合でめずらしく仲間に褒められて「こういうことがあるからやめられないんだな」と思ったばかりなんです(笑い)。