本日の句歌

句歌控帳「立読抜盗句歌集」

鯊(はぜ)日和 一度に三尾掛かりけり(上田尾義博)

元上司の訃報が入りました。
まだ、前期高齢者で、引退直後ですから、惜しまれます。
化学がご専門で、分析の権威でした。
売り込みとか、アピールとかは一切しない研究者タイプのじっくりとしたお仕事ぶりでした。

動くとも 見えで畑うつ 男かな (去来)

その上司は酒も煙草もやらない方でした。
飲酒喫煙と寿命は必ずしも?

故人は飲まない方でしたが、偲んで、コーラクで一杯。立ち飲みのもつ焼き屋で偲ばれても迷惑でしょうが、


戒名を故人は知らず草の花(中村栄一)

のとおり、どうしようもないのです。


翻って、我が身はと言えば、寺に不義理して、入るところというか、置かれるところというか、置場がない。少なくとも火葬されれば、無機物なので、燃えるゴミではない。

棄てるとも捨てられるともみづからを入るる無縁墓地人は購ふ(宮原勉)


暗い話は止めよう。三連休だ!


今晩は、驕ってグリーン車にした。30分の汽車の旅は楽しい。
松竹大船調で笠チシュウが横須賀線の一等車で通勤する映画を幼いころ見た。
常磐線ではあるが、グリーン車に乗れるのだから人生大正解である。


小津映画流れるままの寝正月(小沢昭一)


小沢昭一さんも一昨年他界されましたが、TBSラジオで連日放送していた「小沢昭一的こころ」はよかった。


小沢昭一さんの演技で、イメージに残っているのは、日活の作品で洲崎を扱った映画だ。
あの時代の気取った出前の兄ちゃんを見事に、極めて短いカットの中で演じていました。

もし、演劇青年がいらっしゃったら、見てください。


演劇と言えば、劇団トウエンのこずえさんはお元気でしょうか?
東京演劇アンサンブルです。代田に小屋があり、見に行った。

テーブルの上の荒野を さむざむと 見下すのみの 劇の再会 (寺山修司)


10時就寝。

断酒3日目成らず。

抜きつつ、少しは幸せのために飲みましょう。