句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻六)」
六十六もろともにあはれと思へ山ざくら花よりほかに知る人もなし(行尊)
細君と越谷にあるサンクチュアリーにバードウォッチングに出掛けた。
細君も私も、烏、鳩、雀くらいしか区別がつかないが、双眼鏡をそれぞれが携えて、キャンベルタウンサンクチュアリーに行ってみた。
三千平米の鳥籠には、主にオーストラリアの鳥が飼育されていた。
オオムなどの大型鳥類はさらに細分化されたスペースで飼育されているが、キンカチョウのような小鳥は巨大なネットの中を自由に飛び回っていて、人も怖がらない。
老人は としよりやすし 小鳥来る (橋本栄治)
細君とのお絵かきデートにときどき出かけるが、鳥見は創作がないので、楽と言えば楽である。
どうしても、ここでいい構図のスケッチしてとか、一句残さなければと言うことがない。
一句得るまでは動かじ石蕗(つわ)の花(阿部みどり女)
鑑賞型暇潰し鳥見。
写真などを撮り初めるとお気楽でなくなるので、双眼鏡だけを小道具に、都内の鳥見名所を巡ってみようかな。
俳壇・歌壇
春愁のもとをたどれば俳句かな(あらいひとし)
誰にでも一度はあらむ今生の終の桜と知らず見る花(前田良一)
ネット碁に欠けたるものは碁敵の身じろぐ気配石崩す音(佐々木義幸)