句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻六)」
もてあます西瓜一つやひとり者(永井荷風)
朝のバス停を犬を散歩させている人が通り過ぎる。
二代目、三代目の犬に交代している方もいるが、犬種は変わらないようだ。
生きかはり死にかはりして打つ田かな(村上鬼城)
ある中年女性は雑種の白い犬に決めているようだ。
彼女の初代は、落ち着いた犬で、ご主人さま以外は眼中ないという犬であった。
長閑(のどか)さや叱られている犬の貌(かお)(阪田昭風)
二代目は、ヤンチャで遊び心いっぱいの犬である。人間もほかの犬も大好きなようで、尻尾だけでなくお尻まで振って飛びついていく。
徹頭徹尾機嫌のいい犬さくらさう(井上弘美)