句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」
霞立つ春の長日を恋ひ暮らし夜も更けゆくに妹も逢はぬかも(柿本人麻呂)
今日も、やり手ビジネスウーマンとその上役のコンビが隣に座りました。ぐちぐちとうるさい会話がちょっと耳障りでした。
能面の深井の口は半びらき何か言ひたい中年のくち(水上比呂美)
こういう場所でも持論をまくし立てるウーマンさんですから、社内では浮き気味の方かな?
しんしんと捨場なき雪降りにけり(清水志)
上役さんも個別にガス抜きをして差し上げないと、全体がうまく回らないのでしょう。
片方の言ひ分を聞く炬燵かな(岡田由季)
一見、不倫関係には思えませんでしたが、週末の話なんかが始めりました。
後ろ手に閉める障子の秘密めく(塩見成子)
止めた方がいいですよ。なんとかの深情けと言って、解消が難しそうなタイプですから。
恐いほど吾を見てゆく流し雛(中原南大喜)
不倫はいい女とならば危険は少ないと思いますがが、誰も手を出さないようなお方とすると大火傷しますよ!
恋は得ぬされどすべてを失ひぬ(竹久夢二)