同期が集まって飲んだ。
そもそも、お役所の都合で束になったグループであるから、人生観・価値観・趣味などを共有してはいない。
夜の秋酒の好みのみな違ふ(古田紀一)
それでも、二十代の始めを共に過ごした因縁で年に二度、当時の職場教官の出席を頂いて飲んでいる。
税関の海側の軒燕来る(仲寒蝉)
話がいい方向に向かえば、座は華やぐが、つまらない現役当時の自慢話になれば、当然白ける。
ビヤガーデン話題貧しき男等よ(吉田耕史)
今晩は、昔の人事話などで白けたが、面白い話が聞けることもたまにはある。
役終へたままのアンテナ夏の雲(千波)
雀さんに博愛であるのなら、そういう話にも寛容でなければ。
では、なぜ、私がこの集まりに出るのかと言えば、教官が粋人であるからだ。
今宵は十分にお話をうかがえなかったが、次の機会を楽しみにしょう。
詫手紙かいてさうして風呂へゆく(種田山頭火)