(巻十)とび下りて弾みやまずよ寒雀(川端茅舎)

3月14日月曜日

見つからずにいた句が出てきました。

しぐれ来て一振り多き七味かな(公望)

でした。

ホワイトデーということで、お一方に細やかな御返しをいたしました。

これ迄の人生で女性への贈り物を選んだということはあまりございません。
細君はお付き合いしていたころ、贈り物を喜ぶ方でした。でも何を贈ったらよいのか分からないので、ご注文を伺っておりました。
傘がいいと仰せになれば傘になりますが、どんな傘がいいのか分かりませんので一緒に買いに参りました。
だいたい銀座の松屋デパートで済んでいましたが、細君も気を遣ってくれていたのでしょう。

年の夜あたひ乏しきもの買ひて銀座の街をおされつつ来る(釈迢空)


その傘は、三十五年近くを経ていまだ傘棚に置かれております。

相傘の男子濡れ行く木の芽時(竹内創造)

二人で一緒に買った木の裁縫箱も残っています。
しかし、私が勝手に選んだ紫色のエプロンは使われることなく廃棄されてしまいました。