(巻十一)あらそわぬ種族はほろびぬ大枯野(田中裕明)

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7月29日金曜日

今日はあちこちと歩き回りました。昼休みに有楽町の交通会館三階の北海道観光プラザを覗いてみました。
ネットの案内では、営業時間が平日の午前10時から午後5時半となっていて、お役所の出先機関にしてもやる気のないプラザだなあと思いました。
そんなやる気のなさそうプラザがどんなところか検分に出掛けたのです。
交通会館の二階には東京都の旅券センターがあり、鞄屋さんとか写真屋さんとかそれらしい店が入っていますが、その上の三階はレストラン、歯医者、ソムリエ養成所など雑多な業種が軒を並べておりました。そのひとつが札幌市の東京事務所です。プラザはその一画にございまして、やはり役所でした。
入口にはなんかのキャラクターが“白い恋人”の看板をぶら下げて置いてあり、電車の車両一輌ほどのスペースにはもっぱらラックに乗せられた道、市、町、村などのパンフレットで占められていて、お役所丸出しの旅行案内所といった趣でございました。(写真)
せっかく来たのですから、入口で引き返すのもったいないと思い突き当たりまで進んでみることにいたしました。

無駄足と云はず乏しき梅を見る(小路紫峡)

ラックの先には応接セットと対面式のカウンターデスクがあり、職員二名が勤務中でございました。内一名はカウンターの外でパンフレット棚を整理していて、もう一名は電話応対中でございました。
聞くとはなしに電話応対を聴いておりますと、やはり北海道旅行の旅程相談に乗っているようで、女性職員の応答から相当細かい質問に回答していると察せられました。
その職員が“そこからA町までは(例えば)126キロですね。”と距離を丸めずに回答しているのに興味を覚えました。
駅弁の販売場所や離島への渡り方などを答えていのをパンフレットなど読む振りをして聞き耳を立てておりました。時には資料で確認しながら、誠実に回答している落ち着いた対応に“お見事!”と声には出さずに喝采いたしました。