(巻十四)夏負けて鬼城の叱咤浴ぶごとし(大橋敦子)

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2月16日木曜日

どうでもいいことであるが、
本日はお役所の上屋立ち入り検査があり、空港の倉庫に出勤した。上屋(ウワヤと読みその由来は英語の“warehouse”であると云う。)は開国当初からの税関用語で税関の輸入許可を受けるまでの間外国から到着した貨物を置いてよろしいと保税蔵置場(ほぜいぞうちじょう)の許可を受けた倉庫である。この上屋という用語現在は法律から消えたが、敢えて使いたい用語である。

敬老日昔の人と言はれけり(菊地潔)

許可を頂いているので、ちゃんと外国貨物が管理され、出し入れ(搬出入)が記録されているか点検を受ける検査である。
何しろ開国からのお役所なので時代劇に出てきてもよいような呼称が他にも残っている。東京税関では貨物の検査をする場所を単に検査場と云うが、開国以来の伝統を有する神戸税関などはこれを“改品場”と今でも云っているようだ。品改めてをする場所ということだ。新撰組池田屋に行ったときも“宿改め”だったかな?

時代劇橋のたもとに柳あり(山本敦子)

二十年ほど前までは、関税定率法に“輸入禁制品”と云う条文があったが、法令改正で“輸入してはいけない貨物”と云う味気無い用語に変えられてしまった。“御禁制の阿片の抜け荷”と金さんが片肌脱いで長崎屋を懲らしめる場面に使われた“禁制”である。

なかなかの悪さをしたり源五郎(小島健)

さて、五人の制服を着用した税関職員の方々が時間通りに到着され、保税台帳をはじめとする帳票を確認し、台帳と在庫の抜き取り対査を行い、特に指摘事項なしとの講評を頂き二時間の“蔵改め”は終了となりました。

裏表 なきは君子の 扇かな (豊玉-土方歳三)