(巻十五)今朝秋や見入る鏡に親の顔(村上鬼城)

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6月16日金曜日

野際陽子さんが亡くなられた。知的な美人でとても好きな女優さんでした。


昨日の午後、日比谷図書館で“俳句界6月号”から句を拾った。

燃えながら皿にとらるる目刺かな(野村亮介)
あるはずと探せどあらず朴の花(森田純一郎)
どこからも死角となれる浮巣かな(森田純一郎)
働けるうちは働き柿の花(石渡旬)
あの声で蜥蜴食らうか時鳥(宝井其角)
口はさむ余地をあたへず行々子(檜紀代)
駅なかを漂流したる薄暑かな(丸茂ひろ子)
早過ぎず遅すぎず着く大試験(石井平八郎)
三月や道路工事の回り道(金子さと)
明暗を分けて地震あと冴返る(石橋みどり)
説明書読めど蛙の目借時(大曲富士夫)
貌のなきマネキンに乗せ冬帽子(瀬戸柚月)
山笑ふ思い出せない女優の名(成田淑美)

終わって公園の花を愛で雀にパン屑など与えながら電気ビル裏のプロントへ向かった。
途中、立葵が咲き誇っていたので一撮したが、遠景のベンチでこの白昼に抱擁している男女が目に入った。

こころ足る日は遠出せず立葵(福永耕二)

近くに寄ってみると、ウエディングドレスを纏った花嫁と新郎である。帝国ホテルで披露宴でも催した後であろうか。
こんなところであんな格好をしてあんなことをすれば注目を集めるのは覚悟のうえであろう。写真を載せることにした。

幹に枝喰ひ入るごとく抱きあひそれより先をせずして別る(佐竹游)