(巻十九)ふと忘る暗証番号夏の果て(青木繁)

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7月15日日曜日

立読抜盗句歌集巻三十七は

二階より手を出してみる春の雨(溝渕弘志)

にて一巻の読み切りといたしたが、
まだ巻三十八の巻頭第一句が定まらない。

止せばいいのに、うちにも居られず炎天下呑みに出た。誰もいない団地の盆踊り会場を過ぎ、曳舟川親水公園をのぞいてみた。子供連れが金のかからない行楽先にしていてなかなかの人出である。シートを広げてコンビニで仕入れた弁当やお結びを頬張っている一家もある。
金を掛けずとも家族が結び付いていれば何でも楽しい思い出になる。
わが家なども安房鴨川までしかいかなかったが、よくその頃の想いで話が出る。
曳舟川親水公園であれ、鴨川の砂浜であれ、ワイキキであれ、家族として結び付いていれば子等は嬉しく楽しく安心して遊んでいるのだろう。

止せばいいのに、“ときわ”に入り親爺さんに“兎に角酢の効いたのを”と頼んだらワカメと胡瓜の酢の物が出た。ワカメは歯に面倒だったがきれいにいただいて皿の底に残った酢醤油もきれいに飲んでしまった。

酢の物だけともいかず、鯵の刺身をいただいたが旨しであった。
今日もこの土地の臭いをプンプンとさせるバタ臭い客がなん組も来ている。こういう場所葛飾の場末の雰囲気を遺す店がいつまでも続いて欲しいと思う。

家に戻り扇風機を据えて座椅子でちょっと昼寝したが、そこへ細君が朝日俳壇を持ってきた。
先週から高山れおな氏が選者になったが、今日は“らしい”句が入った。

草刈女爪の罅(ひび)まで草の色(中神萌子)

一切を拒否して毛虫焼かれけり(小池義人)

巻三十八の頭は空白にして、これらを二句目から書き留めた。

母校は今日、成城に敗れ彼らと私の夏は終った!

敗れたる土の熱さよ甲子園(黛まどか)