2016-12-20から1日間の記事一覧

「独り酒 船山馨」 中公文庫 “私の酒” から

北のほうの寒い国に育った者には、どうも酒飲みが多いようだ。私は札幌の生れだが、酒は父祖伝来である。煙草は律儀に二十歳まで喫わなかったが、酒は十七くらいからたしなんだ。義父が日露戦争従軍記者という古いジャーナリストで自由主義的な人間だったの…

(巻十三)春寒くわが本名へ怒涛の税(加藤しゅうとん)

12月19日月曜日 結局双眼鏡もポケットに押し込んだ。双眼鏡の最初の獲物は駅のホームから捉えた電線に停まる鵯であった。 電線の密にこの空年の暮(田中裕明) ポケットが気になるので、ネットで“ポケット”を詠み込んだ句を探したところ、 ポケットのなか…